2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K11400
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
今井 智子 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (50613593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 厚一 筑波大学, 体育系, 准教授 (30447247)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 上皮サイトカイン / 運動トレーニング / 気道炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、気道上皮細胞から産生される上皮サイトカイン(TSLP、IL-33、IL-25)は自然リンパ球(ILC2)を介して気道炎症を導くことが明らかになっている。これらの上皮サイトカインは気道上皮の損傷やアレルゲン・ウイルス等の刺激により産生が促進されるため、運動中の継続的な気道への機械的ストレス及び気道上皮細胞の損傷により上皮サイトカインの産生を恒常的に高める可能性がある。そこで本研究は運動ストレスにおける上皮サイトカインの影響を検討することを目的としている。 本年度は陸上中距離選手17名を対象に高温環境下および低温環境下で継続的に運動トレーニング実施した際の上皮サイトカインおよび関連因子の応答に違いが認められるか検討を行った。測定時期は7月(夏季)と12月(冬季)とし、測定は身体学的特徴、血清生化学的検査および呼気一酸化窒素、呼吸機能検査を実施した。尚、採取した血液は速やかに血清に分離し-80度の冷凍庫に分析まで保存した。上皮サイトカイン(TSLP、IL-25、IL-33)およびST2はELISA法を用いて分析を行った。本検討で用いたELISAではTSLP、IL-33は低濃度のため検出・定量できなかった。IL-25は複数の抗体が高濃度により定量できなかったため再測定の予定である。ST2は季節変動の影響はなかった。また、好酸球性気道炎症の指標である呼気一酸化窒素および好酸球は季節変動の影響がみられなかったが、好塩基球は夏季に比べ冬季で有意な増加がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は予定していた測定を実施することができた。また、一定の傾向を確認することができたため、上記のように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はアスリートと一般健常者の上皮サイトカインの比較検討を行うため、主に健常者を対象に血液採取及び呼吸器関連項目の測定を実施する。この検討により運動トレーニングが上皮サイトカインの産生に影響を及ぼすか検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
COVID19の影響により、実験計画が一年遅れているため
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