2020 Fiscal Year Research-status Report
小中学生期におけるアジリティ向上と発育・発達要因および運動習慣の関係について
Project/Area Number |
20K11437
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
志手 典之 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10178874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 憲輝 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10382540)
奥田 知靖 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90531806)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アジリティ / 小学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、小中学生期のアジリティの向上、発育・発達そして運動・スポーツ習慣の関連性を縦断的に検討することで、アジリティ向上における発育・発達要因の個別の影響と運動・スポーツ習慣の影響について明らかにすることを目的としている。2020年度は、新型コロナ感染症拡大の影響で、小学生のアジリティの向上についてのみ検討することとした。アジリティの評価については、N Challengeを用い、反応・スプリント走・右ターン・ミニハードル走・左ターン・スラローム走および総合のタイムを算出した。札幌市近郊の小学生(1年生:38名・2年生:24名・3年生:11名・4年生:18名・5年生:33名・6年生:30名、計154名)を対象に、2020年9月および2021年2月に測定を実施した。各発達段階に応じて、1・2年生を低学年(L)群、3・4年生を中学年(M)群、5・6年生を高学年(H)群とグルーピングした。L群においては、全ての項目においてタイムの短縮が認められ、様々な動作様式を伴うアジリティが向上すると考えられる。中学年群では、左ターンにのみタイムの短縮が認められ、アジリティの向上の停滞が認められた。高学年群では、反応時間、ミニハードル走、左ターン、スラローム走、総合におけるタイムの短縮が認められた。このことは、高学年では、巧緻性を必要とされるアジリティが向上すると思われる。 以上のことから、小学校期におけるアジリティの向上は、低学年において、様々な動作様式を伴う走運動で認められるが、中学年期では、その向上が停滞するものと考えられる。そして、高学年になると、再び向上が認められるが、その向上は動作様式が限定されるものと推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、測定の対象者が限定された。本年度は小学生の測定のみ実施ができたが、中学生に関しては測定ができなかった。また、被験者数も当初予定の半数(各学年30名)となってしまった。さらに、アジリティについて“N Challenge”のみ測定となったことに加え、運動・スポーツ習慣に関する質問紙調査が未実施となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、現時点で測定を実施した小学生に加え、中学生の測定を実施する。また、体力・運動能力の検討に実施予定であった新体力テストおよびコーディネーションテスト(KTKテスト)の実施は見合わせ、アジリティの検討を“N Challenge”にて実施するとともに、リバウンドジャンプによる評価を加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を最小限にする工夫をしたいと考える。
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Causes of Carryover |
前年度の助成金の使用について、特に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、学会出席での旅費支出がなかった。また、測定対象者が半数となり、測定補助への謝金が不要となった。本年度については、学会出席のための旅費、測定補助の支出計上が見込まれる。
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