2022 Fiscal Year Annual Research Report
食事因子のみで非アルコール性脂肪肝炎から肝癌へ進行するモデルの確立
Project/Area Number |
20K11567
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
北森 一哉 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (80387597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 民江 中部大学, 生命健康科学部, 客員教授 (10020794)
飛田 博史 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (60457190)
安井 菜穂美 武庫川女子大学, 薬学部, 講師 (70399145)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NASH / 癌 / 高脂肪・高コレステロール / 鉄 |
Outline of Annual Research Achievements |
食事因子のみで、NASHから肝癌に進行するモデルが作れるのかの学術的問いのもと、食事因子のみで、NASHから肝癌に進行するモデルの確立を目指し研究を遂行した。2021年度はNASHモデルとして使用されている高脂肪・高コレステロール飼料(HFC)摂取・SHRSP5/Dmcrに肝障害の重症化目指し鉄を負荷した。鉄負荷により肝機能障害の進行は認められたものの、重度の障害には至らなかった。2022年度は、2つの検証を試みた。 1つ目は、1/2濃度HFCの摂餌期間が延びることで肝障害が悪化するのか確認した。肝臓の発がんを目的に、長期間飼育に耐えられるよう、HFC飼料の脂質量を減少していた。この濃度は、8週間摂取で肝臓への脂質の沈着と炎症そして軽度の線維化が認めらえる濃度であった。この餌を24週間与得るとさらに悪化すると考えていたが、1/2濃度のHFCを24週間与えたもの自体の肝障害が軽度であった。このことから、1/2濃度のHFCの8週間摂取と24週間摂取の肝機能障害を比較した。その結果、1/2濃度のHFC8週間摂取で認められていた肝臓障害は、24週間摂取で悪化するどころか、改善傾向が認められた。この結果から、HFC濃度が低かったことが考えられた。 そこで、2つ目はHFC濃度を戻し、期間を少し短くして検討することした。コントロール、HFC、HFCに鉄を添加した群の3群で摂餌期間は14週間とした。鉄濃度は、前回の結果、鉄負荷で肝機能障害が認められた高鉄の添加量を用いた。HFC摂取で肝障害は進行したが、鉄の負荷によってさらに悪化することは認められなかった。むしろ、肝機能マーカーの低値が確認され、鉄の肝保護の可能性も示唆された。
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