2021 Fiscal Year Research-status Report
The role of breakfast on endothelial function and circulatory response to mental and physical stress in human
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20K11607
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
鍛島 秀明 県立広島大学, 地域創生学部, 准教授 (40714746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福場 良之 広島国際大学, 健康スポーツ学部, 教授 (00165309)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Hyperglycaemia / Exercise pressor reflex / Insulin / Endothelial function / Flow mediated dilation / Glucose / Breakfast skipping / Glycemic index |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本年度の実験では,血糖反応が異なる朝食摂取が,その後の血管内皮機能及び静的掌握運動時の昇圧反応に及ぼす影響を検討した。 【方法】健康な若年成人10名(女性5名,男性5名)が合計3回の実験にランダムな順序で参加した。被験者は,2種類の朝食[食後高血糖を呈する食事(以下,HGI),HGIよりも血糖反応が穏やかな食事(以下,LGI)]のいずれかを20分間で摂取,あるいは欠食(Skipping)し,その後180分間の安静を保った。朝食の摂取前及び摂取後60分及び180分に右上腕動脈を対象に,血流依存性血管拡張(FMD)法を用いて血管内皮機能を測定した。血管内皮機能の測定後,被験者は最大随意筋力の30%に相当する負荷で静的掌握運動を2分間行い,その後,240mmHgのカフ圧で2分間動脈阻血を行った(PEMI)。運動及びPEMI時の心拍数及び平均血圧は連続血圧計を用いて測定した。朝食摂取前及び摂取後15分,30分,60分,120分及び180分に,被験者の指先から採血し,血中グルコース(BG),血漿インスリン(PI)と血漿中性脂肪(TG)を測定した。 【結果・結論】BG及びPIは,HGI条件及びLGI条件で増加し,食後15,60及び120分で,HGI条件がLGI条件に比べて有意に高かった。TGは食後に変化が少なく,条件間にも差がなかった。血管内皮機能は,食後180分で,LGI条件がSkipping条件に比べて有意に高く,HGI条件に比べて高い傾向を示した。運動時における平均血圧は,食後60分で,HGI条件がSkipping条件に比べて有意に高かった。PEMI時は,食後60分でHGI条件が最も高かったが条件間に違いはなかった。朝食摂取の有無及びその内容に応じて,食後の血管内皮機能の推移が異なると共に,HGIのような高血糖を呈する朝食では,静的運動時の昇圧反応は増大することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度の目標は,前日の夕食摂取の時刻と朝食摂取の有無が,日中の運動時の昇圧反応及び血管内皮機能に及ぼす影響を検討する予定であった。本来予定していた実験では,昼食時に同じ食事を摂取させ,血糖反応と運動時の昇圧反応・血管内皮機能の推移を観察することであった。一方,令和3年度は,度重なる緊急事態宣言による実験の中断で,実験の遂行が困難な状況が度々生じた。そこで代替えのプロトコールとして,血糖反応の異なる食事を朝食として摂取あるいは欠食させ,運動時の昇圧反応及び血管内皮機能の関連を検討した。苦肉の策であったが,次年度の研究に向けて,足掛かりとなるデータを得ることができた。研究全体を概観すると,当研究課題の進捗状況は「やや遅れている」ものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に予定していた研究課題「前日の夕食摂取の時刻と朝食摂取の有無が,日中の運動時の昇圧反応及び血管内皮機能に及ぼす影響」を検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の状況で,当初予定していた実験の開始が大幅に遅れたことに加えて,長時間の実験を実施することができなかった。このことから,被験者へ支払う謝金が少額であったこと,併せて学会参加が叶わなかったことなどが差額を生じた所以である。 今年度は,前年度に実施できなかった実験を行い,研究費を全て使用する予定である。
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Research Products
(2 results)