2021 Fiscal Year Research-status Report
胎児期からの脂肪酸摂取バランスが炎症性腸疾患の寛解と再燃に与える影響
Project/Area Number |
20K11609
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
徳田 信子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70227578)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 祐二 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20292211)
入澤 篤志 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60295409)
山本 由似 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (80635087)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 脂肪酸 / 炎症 / 腸炎 / 胎児 / 線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が着目してきた、脂肪酸シャペロンである脂肪酸結合タンパク質(fatty acid binding protein, FABP)について、免疫細胞や免疫応答、細胞の増殖制御に関する知見を重ねている。FABPを欠損した動物は、胎児期からの脂肪酸摂取バランスに異常を持つ動物モデルとして捉えている。 我々がすでにリンパ節や脾臓の樹状細胞への存在を報告してきたFABP5(表皮型FABP)については、制御性T細胞の活性化の制御や、NK細胞の成熟の制御に関与することを明らかにした。また、リンパ節や脾臓の特定の線維芽細胞に発現することを見い出し報告してきたFABP7(脳型FABP)については、肝マクロファージにも発現し、FABP7の炎症への関与を明らかにしてきた。FAPB7は肝線維化過程に役割を果たしていると考えられ、その機能について解析を続けている。これらのFABPは、炎症細胞だけではなく、種々の腫瘍細胞の増殖にも関与しており、疾患の治療への応用も期待されている。 FABP7は、炎症が惹起された際、腸管やリンパ節で増殖する線維芽細胞に発現することをすでに確認し報告してきた。FABP7は、特に、T細胞が多く集積している部分の線維芽細胞に発現する。また、炎症前にはFABP7が全く発現していない部位の線維芽細胞に、その発現が見られるようになる。現在、デキストラン硫酸ナトリウムで誘発した腸炎モデルを作成し、このモデルにおけるT細胞の反応について解析している。動物モデルから得られた結果については、実臨床への応用を検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19蔓延の影響による。実験実施の方法などを変更したが、大学間での研究者の移動の制限や臨床検体へのアクセスなどを慎重に行っており、全体的にやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
Covid-19の蔓延が継続しているが、研究は、可能な限り当初の計画に沿って推進することを試みる。当初計画していた、研究者の往来をともなう研究内容については、慎重に行い、かつ、できるだけ当初の計画に近い代替方法を検討する。また、動物モデルを用いた結果について、実臨床における潰瘍性大腸炎の診断や治療への応用を検討しているため、Covid-19が蔓延している状態でも、臨床検体にアクセスし研究を推進する方策を検討する。
|
Causes of Carryover |
他施設で行う予定であった研究や発表などについて、Covid-19感染拡大の影響によって内容を見直し、方法や形式の変更を行った。今後、Covid-19感染による影響を極力受けない方法を検討し、2021年度に実施できなかった研究内容について、次年度使用額を計画的に使用してゆく予定である。
|
Research Products
(18 results)