2021 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病とサルコペニアの合併症における、マイオカインを介したケト酸の生理作用
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20K11625
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
乗鞍 敏夫 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (40468111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 明子 (小島明子) 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (90295709)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / メタボローム解析 / ケト酸 / 骨格筋 / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病(CKD)の食事療法では、たんぱく質(アミノ酸)の摂取制限が推奨されている。一方、サルコペニア対策では、たんぱく質(アミノ酸)の積極的な摂取が推奨されている。つまり、高齢者において高頻度でみられる慢性腎臓病とサルコペニアの合併症では、それぞれの食事療法(蛋白質の摂取制限or積極的な摂取)が適用できない。ケト酸(窒素を含まないアミノ酸代謝物)は、腎機能の低下によって体内に蓄積されやすい尿素や尿毒素(窒素を含む老廃物)を生じないため、腎機能障害の食事療法への活用が注目されている(いまだ実用化されていない)。そこで、本年度の研究では、昨年度に確立した骨格筋細胞を用いた尿毒素による筋機能低下モデルを用いて、ケト酸の骨格筋細胞における生理機能の評価を行った。 このモデルにおいて、あるケト酸Yは、尿毒素による筋機能の低下(骨芽細胞の分化の阻害、ミトコンドリア含量の低下)を抑制することを明らかにした。今年度はさらに、骨格筋細胞の遺伝子発現解析(リアルタイムPCR法)、タンパク質発現解析(ウエスタンブロッティング法)により、その作用メカニズムを明らかにすることができた。さらに、メタボローム解析(GC-MS分析)により、ケト酸Yは骨格筋細胞内のアミノ酸代謝およびその代謝物の細胞内プロファイルが変化することも明らかとなった。現在は、これらの生理作用がケト酸Y自体に由来するのか、それともその代謝物に由来するのかを明らかにするための研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に記載の内容を概ね達成できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画書に記載の実験を計画通りに実施していきたい。
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Causes of Carryover |
276円以下のもので研究を推進するために必要なものが見当たらなかったため。
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Research Products
(4 results)