2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on figure models of speech articulators and a speaking robot development based on speech articulators' motions measurements
Project/Area Number |
20K11876
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
平山 亮 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (70329374)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 音声生成 / 調音器官模型 / 調音運動計測 / 発話ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発話調音運動計測とその解析にもとづき、調音器官の模型製作、さらに音声発話ロボットの開発へと挑戦していくものである。 研究開始からほぼ2年間はコロナ禍による在宅勤務などの制限により本研究の主要な部分である被験者を使った調音運動計測、研究室設置機器を使った模型製作は進まなかったが、3年目となる令和4年度は制限も緩和し、模型製作をはじめとする研究を再開することができた。当初計画にあったヒトを被験者として外部機関で実行する予定であったMRIによる発話調音運動計測実験については外部機関の入館制限、発話実験であるため被験者がマスクを外す必要があり十分なエアロゾル対策ができないことから、計画から削除した。 令和4年度の主たる成果は、3Dプリンタを用いて、調音器官の模型製作を進めたことである。上顎、下顎、舌骨といった骨の模型を製作した。3Dモデリングソフトウェアを使って、過去の計測データや解剖図鑑などを参考に形状を設計し、実物大の顎模型、舌骨模型の製作を行った。また従来研究で行っていた舌、唇の粘弾性模型を再設計して製作し、それらを組み合わせて調音器官動作を検討した。模型製作を中心とするこれらの研究成果は、画像電子学会、IWAIT2023国際会議で成果発表を行った。 もう一つの主要な成果はコロナ禍で延期されていた国立民族学博物館の特別展「しゃべるヒト-ことばの不思議を科学する」が9月1日~11月23日に実施され、音声生成チームの一員として展示構成作成に協力し、調音器官模型などの研究成果を展示したことである。音声生成機構の研究を説明するポスター展示も行った。また言語の身体的産出についての説明の原稿作成も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2~3年度は、コロナ禍による緊急事態宣言の発出、蔓延防止等重点措置の発出、一定期間のキャンパス閉鎖、不急の移動自粛と出張制限、オンラインを主体とする在宅勤務などにより、研究活動が大きく制限され、当初計画通りには全く進まなかった。令和4年度は、研究室での活動もできるようになり、出張制限も緩和されて、研究活動が被験者を使う実験以外は本格的に再開でき、成果発表も行ったが、当初計画通りというところまでは挽回できていない。最終年度である令和5年度にはできる限り遅れを挽回できるように努める。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、コロナ禍による研究への制限がほぼなくなり、遅れをできる限り挽回できるように研究を進める。ただし、ヒトの被験者を使う発話実験計測については、発話中の飛沫飛散が避けられないため、研究計画から外す。発話模型製作を研究の中心として優先的に進めていき、特に、不足している調音器官の形状模型を作成することと、調音運動動作をさせるための模型として進展させていく方向で研究の完成に向けて努力する。研究最終年度であり、国内研究会や国際会議での発表を積極的に行っていく。
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Causes of Carryover |
令和2~3年度は、コロナ禍による緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置を受け、在宅勤務中心となったため、本研究の主要な部分であった、被験者を使った発話実験、研究室での3Dプリンタによる模型製作ができない状態となり、また参加予定の学会が中止となり成果発表もできなかった。令和4年度になり研究室での活動再開ができ、学会発表も行うことができたが、十分な数の成果発表をすることはできず主に旅費が使いきれなかった。令和5年度においては、研究の完成に向けて、調音運動模型製作を加速させるための製作及び記録に関する物品の購入、成果発表のための学会参加費・旅費として執行し、数年にわたるコロナ禍で遅れた研究をできる限り挽回する。
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