2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on figure models of speech articulators and a speaking robot development based on speech articulators' motions measurements
Project/Area Number |
20K11876
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
平山 亮 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (70329374)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 音声生成 / 調音器官模型 / 調音運動計測 / 発話ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発話調音運動計測とその解析にもとづき、調音器官の模型製作、さらに音声発話ロボットの開発へと挑戦していくものである。 令和2、3年度においてはコロナ禍による被験者を使った実験の制限、研究室への入室制限・在宅勤務などの理由により、実験や制作が行えなかったが、令和4、5年度はほぼ制限がなくなり、実験や模型制作を進めた。またコンピュータ上での調音器官のモデリングや動作検証を行った。最終年度である令和5年度は研究の取りまとめをおこない、対外的な発表に力を入れた。 モデリングソフトウェアを使用し、音声生成に関連する器官である上顎、下顎、舌骨、舌、唇、それらに付着する筋群とその周辺の皮膚、声帯周辺、声道、鼻腔の3DCGモデルを設計制作した。それぞれの形状についてはMRI計測により得られたデータを参考に制作した。これらのモデリングに基づき、導入した3Dプリンターを利用し、音声発話に関連する器官である上顎、下顎、舌骨について模型制作を行った。また、焼成粘土を使い、舌、唇とその周辺、声帯周辺と声道の模型を手作業で制作し、それを元に型を制作して、ウレタンゲル素材、シリコン素材といった粘弾性のある材料を使い、これらの音声器官の模型を制作した。また声道模型を制作し、これを電気式喉頭模型で駆動して発話音声を得た。日本語母音についてはほぼ音声生成できたが、子音の音声生成にまでは至らず、これらについては今後の課題となる。また、肺、声帯、声道のMRI計測画像を合成して動画表示する手法を提案した。 国立民族学博物館特別展「しゃべるヒトーことばの不思議を科学するー」において、音声生成の身体的メカニズムについて展示した内容について、同名の書籍にまとめ、その中の「ことばの身体的産出」の章を執筆した。調音器官模型、MRI撮像音声生成動画表示、調音器官のCGモデリングについて、それぞれ国際会議で発表した。
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