2021 Fiscal Year Research-status Report
栄養転換の進展と栄養不良の二重負荷―インドネシア・スンダ農村での継続的観察調査―
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20K12342
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小坂 理子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (50784873)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | インドネシア / 食行動 / 栄養 / 食物摂取 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画では2020年度に現地調査(1回目)およびそこで得たデータの整理、分析を行い、2021年度はそのデータ分析を継続しつつ成果に結びつける予定であった。しかし2020年度は新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、予定していた現地調査が不可能となった。2021年度も国内外を問わず感染者が多い状態が続き、現地調査は実施できなかった。 そのため2020年度と同様に、2021年度もこれまでに現地で収集したデータについて異なる角度からの分析をおこなった。2020年度に試みた食行動の動機に関する質問紙調査では、探索的因子分析で元々の因子とは異なる因子(質問項目の分類)が示唆されており、これについては論文を投稿し査読を受けて現在リバイスに取り組んでいる。さらに食行動の動機に関して掘り下げ、インドネシアに限らず世界中で行われている研究を対象として、これを問う質問紙のシステマティックレビューをおこなっている。 また次回の現地調査に向けた準備として過去の調査結果の見直しを行っている。本研究は同一の調査地で食と栄養に関する行動を継続して調査し、変化を観察しようとするものである。したがって、比較可能性を担保するため次回調査でも同一項目についてデータを収集することとなる。ただし、データの整理の方法や栄養素摂取量の推計方法などは前回調査の経験を活かしてブラッシュアップできる点も多い。データ入力用のフォーマットの整備、調査前に現地で確認しておく情報のリストアップ、現時点で集められる情報の収集などをおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述の通り立案当初の計画では2020年度は現地調査(1回目)およびそこで得たデータの整理、分析を行う予定であった。その後2021年度にはデータ分析、成果の発表と進める予定であった。しかし、2020年度は新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い予定していた現地調査が不可能となり、翌2021年度も世界的に感染者が多い状況が続いたため現地調査は実施できなかった。 本研究課題は2015年に実施した現地調査をベースラインとしたフォローアップ調査を主として計画されたものであり、5年経過時点となる2020年に同内容の調査を実施して経時的な変化を観察する予定であった。当初の予定を遂行できなかったという点で、研究計画の遂行が遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染に対してはワクチン接種が広がり、加えて重症化しにくいウイルスへの変異が進んでいることから、2022年度夏~秋に調査が実施できないか、現地カウンターパートと協議してその可能性を探っている。2020年度、2021年度に渡航や現地調査ができなかったため、新たな手続きが必要になることも考えられるが、次回現地調査の実施に向けて準備を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大継続により2021年度も現地調査が実施できず、旅費や必要物品の購入への支出がなかったため。2022年度以降、渡航、調査が可能に なり次第、調査を実施する予定であり、その際に旅費、物品費として支出する。
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Research Products
(2 results)