2021 Fiscal Year Research-status Report
Regional management of Satoyama and Satoumi: Urban-rural collaboration and sense of commitment
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20K12398
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
内山 愉太 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (00710766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香坂 玲 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50509338)
徳山 美津恵 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80363951)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域資源 / 里山・里海 / 管理行動 / DMO / 多世代連携 / 都市地域連携 / 生物多様性保全 / 資源管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、里山・里海の管理に関わる緑地の管理行動について質問票による調査等を行い、管理行動に対する期待や行動の障壁となる課題、管理方法に対する認識などについて世代や性別、居住環境等による違いを明らかにした。具体的には、管理行動に対する期待については、比較的若い世代において、人とのつながりや、教育面での効果が期待される傾向がみられた。管理方法に対する認識については、農地や公園等の緑地について個別に対応することを重視する傾向が若い世代にみられるのに対して、水系などによってつながる生態系を一体的に保全管理することは比較的高齢の世代で重視される傾向がみられた。また、里山の希少種に対する経験や知識は、高齢世代の方が多く有する傾向も把握された。以上より、世代間での里山・里海管理に対する認識の差異を的確に共有し、認識の差異から生じ得る誤解やミスコミュニケーションを避けながら、各地域の管理の目的沿った管理の方法を構想する必要性が見出された。本年度は、観光資源管理の主体の一つであるDMOに着目した分析結果を取りまとめた論文の発表も行い、都市部と郊外農村部のDMOの連携における相互補完性と相乗効果を形成する方法論について提案を行った。方法論については、地域の土地利用への認識について、衛星画像から判読される客観的な情報と、住民の認識の相関関係について把握する方法を構築し、当事者意識の醸成等に向けて科学的データを活用する方法についても示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き、新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、オンラインでの調査を主に実施した。並行して収集した調査データの分析や、新たな局面に入りつつある観光資源管理に関するレビュー等を行い、調査結果の取りまとめと論文発表を行っており、おおむね順調に研究を遂行した。対面での調査を行うことが難しい場合があることも想定し、ヒアリング調査等については、調査対象者との連絡調整により、ビデオ会議等のツールの利用方法も確認しながら、調査研究を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査研究の成果の取りまとめを進めると同時に、補足的な調査等を行うことを計画している。里山・里海の地域資源は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響下で移動に制約があるなかでも継続的に訪問される可能性のある資源が、比較的多く分布しており、観光面での資源と訪問者や住民との関係性や、資源の訪問者自体にも変化生じていることが広域で予想される。都市地域連携の一つの要として、里山・里海の地域資源を活用する新たな方策や視点が求められており、そのニーズに対応した示唆を導出することも目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の拡大により、引き続き現地調査の実施が困難な時期が生じ、当初予定していた調査を延期する必要が生じたため次年度使用額が生じたが、次年度に延期した調査を行う目途は立っており、代替手段としてのオンライン調査も適宜組み合わせながら研究計画を遂行する計画である。
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Research Products
(14 results)