2023 Fiscal Year Annual Research Report
Smart tourism destination development and value co-creation through big data
Project/Area Number |
20K12399
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
佐野 楓 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (60707298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 修一 関西学院大学, 商学部, 准教授 (50546893)
佐野 宏樹 立命館大学, 経営学部, 准教授 (70779628)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スマートツーリズム・デスティネーション / 観光客行動 / サービス・ドミナント・ロジック / 観光地エコシステム / 解釈レベル理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究では、これまでに得られた知見を踏まえて、持続可能なスマートツーリズム・デスティネーションの構築について、サービス・ドミナント・ロジックで提唱されたエコシステムにおけるアクター同士の価値共創から、観光客行動に注目した。まず、解釈レベル理論を土台にして、観光地域づくり法人(DMO)が主導しているソーシャルメディア・マーケティングの効果を検証した。その結果、DMO主導のソーシャルメディア・マーケティングが観光客の訪問意欲に影響を与えることを確認できたものの、観光客の観光地への訪問時期(時間的距離)によって、プロモーション効果が変わってくることも明確にした。また、時間的距離のほか、空間的距離、社会的距離の概念を加えて、行動経済学で提唱された利他的行動と利己的行動に着目し、観光客のスマートツーリズム・デスティネーション構築に協力する意欲を検証した。それらの研究は、消費最大化と顧客満足度向上のための効果的な市場戦略等をDMOに提案することができた。さらに、代表的な観光研究の国内学会である、観光学術学会・2023年度全国大会の「観光マーケティング研究の新しい動き」というシンポジウムで、「観光デジタルトランスフォーメーションによる競争優位性の高い観光地経営-価値競争とオープンイノベーションの視点から」と題して、招待講演を行った。講演内容は、観光分野のデジタル・マーケティングを始め、本研究プロジェクトのこれまでの取り組みを紹介したものであり、『観光学評論』の学術論文として収録されている。最終年度では、①観光客の潜在的ニーズと情報検索プロセスを客観的に把握すること、②観光客の行動パターンの予測モデルをもとに、観光エリアと事業者による最適協業モデルを構築すること、③観光客、事業者、観光地による価値を創造できることという研究目的を達成できたと思う。
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