2023 Fiscal Year Annual Research Report
チェレンコフ回折放射を用いた超高速ビーム位置モニターの研究開発
Project/Area Number |
20K12486
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
宮原 房史 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (20532691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
周 翔宇 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 研究機関講師 (30462865)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ビーム診断 / チェレンコフ放射 / チェレンコフ回折放射 / ビーム位置モニター / 非線形光学 |
Outline of Annual Research Achievements |
誘電体近傍を高エネルギーの電子ビームが通過した際にチェレンコフ回折放射が発生し、この光(放射)はビームと同じ時間構造をもつ。本研究はこの構造の一部をレーザーを用いて切り出し、増幅して非破壊でビームの位置と時間構造を測定することを目的としている。最終年度にチェレンコフ回折放射用のモニターの製作を行い、KEK電子陽電子入射器のビームラインに設置し、エネルギー1.5 GeVのビームによるチェレンコフ放射の測定を試みた。レーザーで光の切り出し、増幅を行う光の波長帯 1034-1094 nmで測定を試みたが、十分な強度の信号を得ることが出来なかった。十分な強度のチェレンコフ回折放射を得るためには誘電体をビーム近傍に近づける必要があるが、ビームの広がりがこの距離よりも大きく、誘電体を直接通過するチェレンコフ光の強度が非常に大きいたいめ、チェレンコフ回折放射の信号が埋もれてしまうことが原因であった。この問題を解決するためにはビームから離れた位置でも大きな強度が得られるテラヘルツ領域の光を用いる必要があるが、その場合はレーザーを用いたパルスの切り出し、増幅が出来ないため、別の方法の検討を続けている。また、発生するチェレンコフ回折放射の光を効率的に集める光学系を設計する過程で、チェレンコフ光を用いて複数の荷電粒子が混在したビームから特定の荷電粒子のみを選別してビーム位置とエネルギーを同時に測定できる新しいビーム診断装置が開発可能であることが分かった。
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