2020 Fiscal Year Research-status Report
Field crossing study of Japanese traditional culture from the early-modern times to the modern times and Utilization to data science teaching materials.
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20K12565
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
福田 智子 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (50363388)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 百人一首 / 源氏物語 / 和歌 / 香道 / 伝統文化 / データサイエンス / データベース / 仮名 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、(1)日本伝統文化研究と(2)データサイエンス教材作成のふたつの柱から成るが、2020年度は、新型コロナウィルス感染症拡大により、資料調査や研究会開催、教材作成のための学生アルバイト雇用がままならず、当初の研究計画に大幅な変更を余儀なくされた。そのような状況下において、研究集会をリモートで3回にわたって開催し、また、本研究と、同志社大学文化情報学部、および同研究科における教育とを直結させることにより、以下の研究成果を上げることができた。 日本伝統文化研究としては、香道1編(『香道籬之菊』)、和歌2編(歌意絵入り『百人一首』四種・藤原忠晟百首)、『源氏物語』1編(『源氏絵所言葉書』)の資料紹介と、バイエルン本『源氏物語』の伝来に関わる研究余滴1編を発表した。さらに、上代文学会・和歌文学会 合同シンポジウム「万葉と平安和歌―推移をどう見るか―」における研究発表を行った。 また、データサイエンス教材作成については、文化情報学部3回生の演習授業を通して、吉海直人氏(同志社女子大学)ご提供の『皇国百人一首』を対象に、深川大路氏との共同指導により、画像注釈データベースの構築を進め、仮名字母のデータ整理をほぼ終えることができた。 なお、アウトリーチ活動としては、同志社大学人文科学研究所として初めてのオンライン公開講演会「生き続ける『源氏物語』よみがえる紫式部―令和時代の古典の楽しみ方―」を企画・運営した。一般に向けたライブ配信の後、オンデマンドでもYouTubeにて一般公開する一方、講演会の内容は、ブックレットとしてまとめ、一般の方にも無料で配布している。 さらに、研究集会における研究発表の一部は、発表者(本研究課題の研究協力者)の許可を得た上で録画し、YouTubeにて一般公開している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大という状況の中で、研究活動をほとんどオンラインで行わなければならなくなり、当初の計画通りに文献調査を実施することができなかったため。ただし、研究集会等をオンラインに切り換えることで、研究活動をある程度維持することはできたのではないかと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症の終息が見込めないため、同志社大学以外の機関が所蔵する文献の調査を実施することは、当面の間、難しいのではないかと考える。そこで今後は、同志社大学が所蔵する古典籍を中心に据える。とくに、2021年4月1日から同志社大学内に新たに設置されることになった宮廷文化研究センターにおける二条家文書・山科家文書の調査研究(2021~2025年度)と連携することで、日本伝統文化研究に多角的に取り組むと同時に、データサイエンス教材の質と量の確保に努める。また、学生アルバイトも、感染症対策として細心の注意を払いながら、逐次、雇用していく。 また、研究集会自体は、リモートでも活発な討論が可能であり、むしろリモートの方が参加しやすいという声も聞く。そこで、文系・理系、研究者・学生といった垣根を取り払い、可能なかぎり門戸を開いた研究集会を企画する。
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Causes of Carryover |
研究計画では、国内旅費として、国文学研究資料館調査出張費、および、富士ゼロックス共創ラボラトリー出張費を計上していたが、新型コロナウィルス感染症拡大のため、これらの出張はすべて中止せざるを得なかった。また、データサイエンス教材作成のための人件費(学生アルバイト)も、急に開始された非対面授業に翻弄される学生を雇用するにしのびなく、全く支出することができなかった。 次年度使用額が生じたのは、以上の理由によるが、次年度は、感染症対策を万全にしながら、学生アルバイト雇用を積極的に行う。また、調査出張は、今もって困難な状況であるので、まずは同志社大学が所蔵する古典籍に目を向け、その文化事象の研究を進めながら、データサイエンス教材の充実を図りたい。
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Research Products
(7 results)