2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Randomized Controlled Trial of Investigating the Effectiveness of VR(Virtual Reality)-based Cognitive Behavioral Therapy (VR-CBT) for Adult Depression
Project/Area Number |
20K12677
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
宗 未来 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (00327636)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メタバース / 認知行動療法 / 仮想現実 / インターネット認知行動療法 / バーチャルリアリティ / CBT / VR / RCT |
Outline of Annual Research Achievements |
予備研究では、アバターに扮したメタバース(VR空間)で参加する全16名による集団CBT(CBT@Meta)8週の単群試験において、主要評価項目のPHQ-9で有意な抗うつ効果を認めた(p<0.0005)。本試験では、オンライン健康情報視聴によるシャム待機群を対照として、無作為化比較試験(RCT)が実施された。対象は告知に応じたEAP登録企業下従業員。包含基準は、同意取得可能なPHQ-9≧10点、ネット環境下で日本語理解可能。除外基準は、希死念慮、統合失調症、物質依存、主治医許諾の得られない通院者。介入は週1回のセッションを6回受けるCBT@Meta群と対照群に、計86名が無作為割付された。主評価はBDI-2で、介入前後と3か月後追跡の3時点での反復測定2元配置分散分析によるFAS解析がなされた。本研究は、東京歯科大学市川総合病院倫理委員会の承認を得て実施された。4/6回以上の参加および3時点の調査に応じたCBT@Meta群(27名:65.9%)と対照群(29名:64.4%)が解析対象となった。主要評価項目のBDI-2では、開始時からの平均スコア変化は、介入終了時(7週)では有意差を認めなかったが、3ヶ月後追跡時ではCBT@Meta群が-8.20、Control群が-1.07と有意な改善を認めていた(P=0.0128, Hedges g=0.54)。また、GAD-7およびWHO-HPQ(健康と労働パフォーマンスに関する質問紙)短縮版においてもCBT@Metaが3か月後追跡時で、それぞれ有意差(p=0.042)、有意傾向(p=0.0846)で改善を認めていた。脱落に群間差は認めなかった。またCSQ-8では満足度において、全参加者が「とても良い」「良い」と回答。「赤の他人と不思議な連帯感」「瞑想がリアルなバーチャル寺院で癒やされた」といったメタバースならではの感想も得られていた。
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