2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of detecting system for lumbar spondylolysis using vibration signal analysis.
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20K12696
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
渡邊 裕之 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (40348602)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腰椎分離症 / 振動信号 / 周波数解析 / 骨叩打 |
Outline of Annual Research Achievements |
腰椎分離症はスポーツ選手に多く発生する。早期例は痛みなどの症状は少なく、スポーツ活動時に腰椎に過度なストレスが加わったときのみに認められる。したがって、早期例では医療機関を受診することが少ない。本研究は腰椎棘突起に振動刺激を加え、反射受波した振動信号を解析することにより、腰椎分離症の有無を判別することを目的としている。2020年度は腰椎分離症を検出するための振動刺激装置と振動信号の解析機器の委託開発を行った。 機器の開発はプロトタイプモデルとして完成した。現在までの基礎研究では叩打のために物理的な刺激が必要であり、安全性が求められていた。今回開発した機器はより安全性の高いスプリング式に改良した。解析対象とする信号は叩打から受波するまでの全ての信号から初期の叩打による振動信号を除去し、反射受波した信号のみを解析対象としている。骨折情報を含んだ振動信号のみを抽出することにより、より効果的な信号解析が可能となった。 さらに周波数解析をフーリエ解析からウェーブレット解析に変更することで、時間経過に伴う周波数の変調を検出することが可能となった。ウェーブレット解析による検出能力の向上が期待できた際には、叩打の際の刺激をより低刺激な方法へと改良させることが可能である。今後は機器の検証とともに、検出力と安全性の向上に努めていきたい。本機は現在までの基礎研究を基盤とするだけでなく、さらに発展した機器へと開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
委託先の開発業者の選定が想定よりも早くに決定したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本機の主たる機能である腰椎分離症の判別について、人工腰椎を用いて検証を進める。人工腰椎は基礎研究と同様に上・下関節突起に切離を加え(50%、100%)、信号の周波数解析を実施する。 人工腰椎による検出能力に合格した場合に生体を対象とする調査を順次開始する。
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Causes of Carryover |
今年度はコロナ禍による学会の中止、延期が続いたため、予定した旅費の支出が生じなかった。次年度は、開発した機器の安全性の検査と人工骨を用いた検出力の判定に要する諸経費、また、成果公表を行うための旅費等に研究費を使用予定である。
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