2022 Fiscal Year Research-status Report
寝たきり患者が車椅子シーティングを活用するための看護援助方法の検証
Project/Area Number |
20K12758
|
Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
青森 広美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (40813332)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 秀行 日本保健医療大学, 保健医療学部理学療法学科, 教授 (10360679) [Withdrawn]
小澤 芳子 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (60320769)
水野 智子 東都大学, 幕張ヒューマンケア学部, 教授 (20279574)
半田 隆志 埼玉県産業技術総合センター, 電気・電子技術・戦略プロジェクト担当, 専門研究員 (20639679)
浅見 正人 日本保健医療大学, 保健医療学部理学療法学科, 助教 (40821723)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 標準型車椅子 / 体幹の屈曲 / 体幹の側屈 / 体幹の捻転 / 時間角度積分 |
Outline of Annual Research Achievements |
「寝たきり患者が車椅子シーティングを活用するための看護援助方法の検証」に向けて、ベッド上と車椅子上での看護援助中の作業負担の計測方法について、検討を重ねた。作業負担は、看護援助時の体幹の前屈、側屈、捻転の姿勢を抽出し、国際標準(ISO11226)基準を参考に、それら基準角度を越えた持続時間と全作業中の時間角度積分を測定し、評価することとした。また、官能評価によるアンケートも実施する。それら姿勢を測定するセンサーは、軽量で、看護援助に影響しにくいジャイロセンサーを用いたが、方位測定の精度でセンサーの選択に時間がかかった。 今年度、センサーを決定、看護負担計測システムを開発し、プレテストを実施、計測機器・プロトコールの微調整を行った。調査対象者が勤務する療養病棟は、新型コロナウイルス感染症の発生が続いたが、3月に2回、実験を実施することができた。実験は、看護師6名に対して、代表的な看護動作4項目(気管切開、経管栄養、洗髪、足浴)を標準化した動作について、ベッド上と標準型車椅子上で実施した。より動作が大きい足浴などでセンサー精度や装着のずれが起こったが、ほとんどの看護動作を測定することができた。また、車椅子上よりベッド上の負担が大きい項目があること、また、本計測システムがベッド上看護でも、更に負担の少ない方法の提案などが可能であることがわかった。現在、計測データを分析中で、関連の学術集会での発表、論文の作成に向けて準備中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症や看護負担計測システム開発の遅延などで遅れ気味であった。しかし、今年度は計測システムの完成や後半に感染症の低減により、より実験がスムースに進めることができ、遅れを最小限にとどめることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、座背角度等が一定な標準形車椅子とは異なる、シーティングでよく使用される座背角度が容易に変えることができるテイルト・リクライニング車椅子を使用し、看護動作を比較する。車椅子シーティングの安楽を追求するために車椅子クッションの臀部への適合等も検討する予定である。最終年度であるので、本テーマである検証と同時に、車椅子シーティングに合わせた看護援助法の開発、そしてその医療費軽減も含めた有効性への道筋をつけていきたい。
|
Causes of Carryover |
調査結果、公表のための準備(学会発表、論文投稿) 海外への視察・情報収集・情報交換 計測に必要な物品の追加購入
|