2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K12811
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
西山 綾瀬 (井上綾瀬) 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10838527)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 律 / 比丘 / 生活 / 食事 / 薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,仏教出家者の食生活の規則集(諸律文献薬ケン(牛へんに健)度)の内容を踏まえ,古代の流通や医学の知見を加えて,仏教出家者の実際の食事内容に迫るものである.2022年度も砂糖や塩の記述をもとにインドにおけるフィールドワークを行う予定であったが,調査や再現実験は新型コロナの状況に左右され実施できていない.そのため,方向性を彫刻や壁画に遺される生活のための資具の調査に変更した. 新型コロナの状況を踏まえ,2022年2月にインドの現地調査を再開した.現地の様子確認を行った.インドへの入国に関して日本人は制限がある時期だったため,本格的な調査の前段階とした.そもそもの課題の一つであった古代インドの砂糖に関して,黒蜜を埋没させた甕で乾燥砂漠気候や湿潤熱帯気候において長期保存して経年変化をみる調査は断念した.最終年度にインド調査にいけるかどうかという状況であったためである.代わって,これまでテキスト研究を補完するために彫刻や壁画を援用していた西インド(サーンチーやアジャンタ)以外の作例や遺物などを集めることとした. 古代インド内にてブドウが常用される果物であったかという点に関して,テキストから読み取れることとして,インドからみて北西部でしか生育しなかった可能性を指摘した.多湿な気候がインドにおけるブドウの栽培を不可能にしていた可能性を印度学仏教学会にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
社会情勢により,現地調査に赴けない期間が大半を占めたから.
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Strategy for Future Research Activity |
社会情勢が戻りつつあるので,経年変化をみる砂糖の調査以外の部分を2023年度に行う.インド東部や中部における作例を調査し,テキスト研究に援用する.
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Causes of Carryover |
社会情勢のため調査へ行けない期間があったため.
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