2021 Fiscal Year Research-status Report
現代アジア系アメリカ文学における「食」と「物語」の関連性に関する考察
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20K12971
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
松本 ユキ 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (00734625)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食 / 物語 / 人種 / ジェンダー / 労働 / 感情 / 環境 / 災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はこれまでの研究成果をもとに、それを更に発展させる形で、共同研究や学会発表、そして論文の執筆に取り組んだ。昨年度に引き続き、コロナ禍の影響により、海外での調査や研究成果の発信ができなかったため、国内で資料を収集し、オンラインを中心に学会や研究会、その他のイベントに参加した。今年度は、昨年度延期となった国際学会(The 7th International Symposium on Literature and Environment in East Asia)にオンラインで参加し、ルース・オゼキの小説『あるときの物語』についての学会報告を行った。また以前から学会や研究会で取り組んできたプロジェクトの成果が、共同で出版された。(執筆担当は、『アジア系トランスボーダー文学―アジア系アメリカ文学研究の新地平』の第二章、『移民の衣食住I―海を渡って何を食べるのか』の第五章)所属先の紀要(近畿大学、総合文化研究科紀要『渾沌』第18号)にも論文を一本投稿し、研究成果として公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、これまでの研究成果を活字として公表する機会にめぐまれた。しかしながら、新たな研究課題に取り組む時間があまりとれず、当初の計画に少し遅れも生じてきている。新型コロナウィルス感染拡大の影響により、残念ながら海外での調査や研究成果の発信等はできなかったため、オンラインでの学会参加や国内での論文の投稿を中心に活動した。海外の最新の動向を知るため、ネットでの情報収集やオンラインでのイベント参加を積極的に行った。本来であれば今年度の後半に、新たに読み進めている文学作品について学会報告をする予定を立てていたが、発表段階に至るにはもう少し時間がかかりそうだ。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、今年度に引き続き、現代のアジア系アメリカ文学を中心に考察し、年度中に国内の学会で発表することを目標としたい。更に以前に学会で発表したルース・オゼキの『あるときの物語』についての原稿を加筆修正し、論文にまとめる予定である。分析対象とする作品は、現代アジア系アメリカ文学のなかでも「食」にかかわる人種化ジェンダー化された労働や感情について扱ったものである。学会などで様々な研究プロジェクトにかかわるなかで、「食」の問題だけでなく、「環境」「労働」「ケア」など多岐にわたるテーマに関心が広がってきた。今年度はさらに多様な視点から、文学作品を読むことに取り組み、グローバルな市場における移民・女性の労働の問題について考えていきたい。
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Causes of Carryover |
今年度は引き続き新型コロナウィルス感染拡大の影響もあり、当初予定していた国外での学会活動や資料収集などを実施することができなかった。2022年度以降に海外への渡航費用やそれに代わる調査費用として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)