2023 Fiscal Year Research-status Report
英語学習者向け速読教材の言語特性の検討と教材作成基準の提案
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20K13108
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
田中 菜採 日本大学, 経済学部, 講師 (80795005)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 速読 / 英文読解 / 速読教材 / 読みの流暢さ / 英語学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では英語の速読活動に用いられるレベル別教材に焦点を当てた。速読教材は一般的に読解速度を測定するために本文となる英文と、内容理解を確認するための問題が付属している。研究1~3年目では速読教材の教材に関する調査を行った。本年度の研究4年目は当初の研究計画にはなかったが、読解速度を扱う本研究において対面実施からオンライン実施に変更したため、その妥当性を検証するために以下の調査を実施した。 昨年度の研究において、英文速読教材で使用されている内容理解問題の種類・形式が英文読解速度にどのように影響するかを検証した。昨年度の研究ではオンライン調査にて以下の研究を行った。同じ長さで同程度の難易度の語彙を使用している英文に対して異なる内容理解問題を出題し、日本人英語学習者の読解速度と読解効率(速度と正確さを同時に示す指標)を比較した。本研究では、昨年度と同様の手法を用いて対面実施で同じ結果が得られるかを確認した。 日本人大学生に対して対面実施の調査を行った。調査では英文の長さと語彙が統制されている速読教材を用いた。英文に対して3種類の内容理解問題(文完成課題・True or False問題・要約完成課題)を5問ずつ準備した。協力者はスマートフォン等のデバイス上で解き方を確認した後、各内容理解問題条件の英文を2つずつ読解した。読解時間はオンライン上に記録した。その後、理解問題に本文を参照せずに解答した。昨年度実施したオンライン調査と対面実施のデータを再分析した結果、協力者内条件(内容理解問題の種類)の傾向は同じだった。ただし、読解速度や正答率は同程度の結果とはならなかった。オンライン実施では英文読解熟達度を測定しておらず幅広く協力者を募ったため、グループ間で、英文読解熟達度が異なった可能性が高い。 研究最終年度は研究を通じて得た英文速読教材への示唆を速読教材の作成基準を提案する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の4年目では新型コロナウイルス感染症による影響で、研究2~3年目に対面実施で予定していた調査をオンライン実施に変更した妥当性を確認するため、追加で研究を行った。オンライン調査は対面実施の調査と厳密には同じではないものの、同じ傾向という結果が得られたため、研究期間を延長し、2024年度は4年目に計画していた調査を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は2023年度に実施できなかった、研究計画2年目で疑問の生じた点について追調査を行った後、4年目に計画していた調査を実施する。2年目では速読教材の英文の長さの効果が予想を反する結果であったため、改めて追調査を行う。さらに、4年目の研究計画である研究計画1~3年目の結果を取りまとめて英文速読教材への示唆を速読教材の作成基準を提案する。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた海外学会に体調不良のため参加できなくなったため、次年度使用額が生じた。2024年度は国内・海外旅費と学会の参加費として使用する。さらに、2022年度に実施できなかった、研究計画2年目の追調査の実施のための費用に充てる。
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