2020 Fiscal Year Research-status Report
匈奴-サルマート期の編年確立を目的とするエニセイ川上流域の中国系文物の調査
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20K13230
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大谷 育恵 金沢大学, 国際文化資源学研究センター, 客員研究員 (80747139)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エニセイ川 / 匈奴 / 匈奴-サルマート期 / 中国系文物 / 放射性炭素年代測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では1年目の計画として、今後3年間の共同調査と調査サンプル供与を受けるにあたり、まず最初にロシア・サンクトペテルブルクに所在する研究所を訪問して打ち合わせを行い、夏にはエニセイ川中流域にあるクラスノヤルスクとアバカンで収蔵資料の調査を実施する予定であった。しかしながら、研究開始の4月の段階よりコロナウイルスの世界的な流行のために渡航・打ち合わせができなくなり、またロシア側の研究所の長期閉鎖、直接のカウンターパートであった研究者の死去により、初年度計画していた調査についてはいずれも春より保留状態となった。 本研究の調査では、エニセイ川流域地域の出土遺物のうち、まず①中国系文物(中国製製品,漢式資料)の整理を通して同地域の既存編年に問題点がないか再確認し、また②放射性炭素年代測定を実施することによって絶対年代を知るための資料を作成し、最終的に両資料から得られた年代的根拠をもって同地域の編年を検証する。サンプルの取得と現地調査が行えなかった本年度は、既存報告の内容の検討を進めるほかなく、アルタイを含む南シベリア地域の遺跡で実施された放射性炭素年代測定値を網羅的に集めた。そして、ロシア側研究者とともに現状の理解とどの遺跡をサンプリング対象とすればより疑問点が効果的に解消されるかを検討した。 現地調査は実施できなかったため、既存報告に基づいて、エニセイ地域の「匈奴」と言及のある報告論文の収集を進めた。そのうえで、モンゴル国を含む東部ユーラシア地域の匈奴-サルマート期の遺跡について、中国系文物の拡散という視点で同地域を見た場合、どのような問題があるのかという点について研究会用に英文論文を執筆したが、研究会自体が延期となったため、報告書出版についても翌年度へ保留となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス流行の影響により、うまく進めることができなかった。初年度にはサンプル供与をうけるにあたって合意書の提出や話し合いが必要となるが、4月から渡航ができず、また先方機関は一時閉鎖に伴い業務が停止した状態であり、研究者間で研究上の検討はできても研究実施上必要となる手続きが開始できなかった。また、カウンターパートであった研究者の死去もあり、後任や引継ぎの点で先方の状況も混乱した。 シベリア地域においては、発掘調査は実質夏季でなければ実施できないので、その他時期にずらすということができない。したがって、夏ごろからは研究期間の1年延長で話し合っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ビデオ会議を通して、どのように合意書の提出を行うか、サンプル供与を可能とするかという点について話し合っている。コロナウイルスの流行にともなう今後の状況は読めないもののの、現地で発掘調査と資料調査は残念ながら本年度も実施できない場合でも、分析関連については実施することができるように調整中である。
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Causes of Carryover |
春に予定していた打ち合わせと合意書締結、夏季に予定していた海外での調査がコロナウイルスの流行にともない実施できなかったために残額が生じた。発掘調査は夏季でなければ実施できないため、コロナウイルスの流行状況を注視しつつ、今年度の夏季に調査を実施する予定であり、この調査旅費として使用予定である。
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Research Products
(1 results)