2021 Fiscal Year Research-status Report
匈奴-サルマート期の編年確立を目的とするエニセイ川上流域の中国系文物の調査
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20K13230
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大谷 育恵 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (80747139)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放射性炭素年代測定 / エニセイ川流域 / タシュティク文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の初年度となる2020年には、コロナウイルス感染症流行のため、ロシアへの渡航もできず、またカウンターパートの側でも臨時閉館・在宅勤務となっていたことから実質研究を進めることが困難であった。このコロナウイルス感染症による困難な状況は2021年度になってもあまり変わらなかったが、オミクロン株の流行以降若干状況が改善したことにより、2022年春-夏季に一度ロシアを訪問し、放射性炭素年代測定の実施ができるように準備を進めていった。 効果的な測定をおこなうためにも、2021年度にはエニセイ川上流域のトゥバ共和国と中流域のハカス共和国・クラスノヤルスク州に所在する前3世紀~後5世紀(匈奴-サルマート期~初期中世期)の遺跡の発掘調査報告例を収集し、放射性炭素年代測定実施例を集め、検討した。ロシア側のカウンターパートと共に検討した結果、出土遺物からタシュティク文化と報告されている2遺跡に対して測定を実施することとし、試料採取した。しかしながら、2022年2月にロシアのウクライナ侵攻が開始したため、春の渡航はできず、今後が見通せなくなった。 本研究ではエニセイ川上・中流域の前3世紀~後3世紀(匈奴-サルマート期)の編年の検討を目的としているが、遺跡情報の収集を行った結果、「初期中世」と位置付けられる南シベリア地域の後4、5世紀の状況も問題になっていることが先行研究の分析から分かった。実地調査や現地での実物資料の調査が行えない状況でもあるので、報告等文献資料の調査については少し対象とする時代を広げて「初期中世」期の状況についても情報を収集し、また隣接するアルタイ共和国の状況についても情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は
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Strategy for Future Research Activity |
2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、再び困難な状況が生まれている。ただし、本研究に関してカウンターパート側とは連絡を取りあっており、サンプル送付等の相談は続けている状況にある。 ロシア連邦下にある地域での実地調査は困難であるが、エニセイ川の最上流はモンゴル国西北部でもあるため、その地域の状況を調査することによって考察を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究開始の2020年度よりコロナウイルス感染症が流行し、日本からロシアへの渡航も実地調査もできなかったため。
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Research Products
(3 results)