2022 Fiscal Year Annual Research Report
Digitalization of society and economy and Non-conformity in sales contract
Project/Area Number |
20K13378
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
古谷 貴之 京都産業大学, 法学部, 准教授 (40595849)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 売買 / 契約不適合責任 / 追完請求権 / ドイツ売買法 / EU法 / 瑕疵担保法 / 物品売買指令 / デジタルコンテンツ指令 |
Outline of Annual Research Achievements |
【最終年度に実施した研究の成果】主にドイツ売買法に関連する下記の2つの研究を行った。 (1)ドイツ瑕疵担保法の改正:本研究は、社会・経済のデジタル化が進む中で売買における契約不適合給付の規律をどのように構想するかについての研究を行うものである。特に近年、デジタルコンテンツや「スマート製品」の取引の重要性が増しているが、本研究では、売買法の領域において、こうした取引社会の変化に対応しうる法的枠組みをどう構築するべきかという課題に取り組んだ。本年度は、2022年1月1日施行の改正ドイツ民法に関する検討を行った。この研究成果を拙稿・産大法学56巻1号(2022年)29-57頁において公表した。 (2)フォルクスワーゲン(VW)排ガス不正事件:近時、ヨーロッパにおいて、VW排ガス不正事件(2015年)に係る多数の訴訟が裁判所に係属しており、売買契約法及び不法行為法の領域で多くの判決が下されるに至っている。本研究では、主にドイツ売買法の観点からこの事件の分析に取り組み、2つの重要なドイツ連邦通常裁判所の判決の分析を通じて当該判決の意義を明らかにした。この研究成果については、拙稿・産大法学56巻1号(2022年)121-146頁、同・産大法学56巻4号(2023年)27-55頁において公表した。
【研究期間全体を通じて実施した研究の成果】本研究に基づき、現在のEU売買法・ドイツ売買法の状況を明らかにすることができた。また、この比較法研究に基づき、わが国の民法(売買法)にとっての有意義な知見を獲得することもできた。関連する主な研究成果は、産大法学54巻1号(2020年4月)127-155頁、産大法学54巻2号(2020年8月)271-301頁、産大法学55巻1号(2021年4月)93-159頁、産大法学55巻2号(2021年7月)161-295頁及び上記論文等で公表した。
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