2020 Fiscal Year Research-status Report
A Comparative Study on the Presidential Impeachment in South America
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20K13391
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
磯田 沙織 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (70812064)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 比較政治 / 南米の政治 / 大統領制 / 大統領の弾劾 / 大統領ー議会関係 / ペルー / ベネズエラ / パラグアイ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、大統領制の国においてなぜ弾劾裁判が発議される大統領とそうでない大統領が存在し、また発議された場合でも弾劾が成立する事例と回避できる事例に分かれるのか明らかにするための分析枠組みを構築するため、主に文献収集に取り組んだ。 その他、オンライン開催となったメキシコ政治学会(AMECIP)において、南米諸国における大統領・議会の対立に関する報告(Un estudio cualitativo de la reeleccion presidencial en America Latina)を、ペルー・サンマルコス大学のオンライン講演会において、大統領制と議院内閣制における大統領弾劾および首相罷免手続きの比較に関する報告(Diferencia entre el Sistema politico de Peru y Japon)をそれぞれ行った。 当初の計画では研究対象国である南米3か国における現地調査を予定していたが、新型コロナウィルスの感染拡大により実施を見合わせた。その代替措置として、インタビュー相手のインターネット回線が良好な場合はオンライン上でのビデオ会議ツールを利用したインタビューの実施に切り替え、ペルーの元国会議員等に対し、政府・議会の対立状況やペルーの大統領の弾劾に関してヒアリングした。また日本において、駐日パラグアイ大使や一等書記官から、パラグアイの大統領弾劾発議に関して対面でのヒアリングを実施した。その他、日本からアクセス可能な弾劾に関する文献および世論調査データを収集し、分析枠組みを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、南米諸国における現地調査や国際学会での報告を予定していたが、新型コロナウィルスの感染拡大により中止に追い込まれ、オンライン開催となった別の学会での報告に切り替えた。 また、研究対象国における政治家や研究協力者とも、当初の計画のように対面でヒアリングすることが困難となった。このため、オンライン上でのビデオ会議ツールを利用したものの、インターネット回線が不安定なインタビュー相手も存在したため、当初の計画を全てオンライン上に切り替えることができなかった。 インタビューを実施できなかった代替手段として、政治家個人のSNSからの情報収集に努めたものの、研究対象としている大統領弾劾に関する投稿が少なく、当初の計画通りの調査を実施できなかった。 他方、当初の計画通り、日本から入手可能な文献および世論調査データの収集には取り組み、分析枠組みを構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は南米3か国における大統領の弾劾事例について研究するため、現地調査によるデータ収集が必須であるものの、新型コロナウィルスのワクチン接種状況に応じて海外渡航の是非を慎重に検討し、現地で調査を実施できない場合は現地研究者との協力体制を強化する。 これまでは将来的な共同研究を見据えて、オンライン上の会議ツールを用いて現地研究者との意見交換を実施してきた。今後は、こうした研究者から現地調査のアシスタント候補を推薦して頂き、オンライン上で打ち合わせをすることによって、日本から予備調査の指揮をとる体制を構築する。これにより、次年度も新型コロナウィルスの影響で渡航できない場合に備え、信頼のおけるアシスタントに予備調査の実施を依頼し、最終年度前半に集中的に現地調査を実施することで研究を完成させる予定である。
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Causes of Carryover |
当初計画していた①研究対象国における現地調査が新型コロナウィルスの感染拡大により実施できなかったため旅費を使用しなかったこと、②現地調査時の研究協力者に対する謝礼として計上していた人件費の使用がなかったことにより、次年度使用額となった。 2021年度は、海外渡航できなかった場合においても日本から予備調査を指揮することで、人件費の使用に関わる情報収集およびデータベースの構築にかかる作業に取り組む予定である。
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