2020 Fiscal Year Research-status Report
高次リスク・曖昧さ態度抽出実験手法を用いた不確実性下の意思決定モデルの彫琢
Project/Area Number |
20K13450
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
舛田 武仁 信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (80725060)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | リスク態度 / 曖昧さ態度 / 経済実験 / 自己予防問題 / 誘因整合性 / マッチング確率 |
Outline of Annual Research Achievements |
不確実性下の意思決定実験研究の多くは人の意思決定が期待効用モデルから乖離している証拠を示しているものの、不確実性下の最適化行動を最もよく説明する簡潔なモデルについては合意を得ているとはい言い難い。本研究は、高次リスク(・曖昧さ)態度と、1)自己予防、2)集団予防、の各問題における最適化行動水準との間に成り立つ理論予測を、近年開発されたモデル・フリーな高次リスク(・曖昧さ)態度抽出課題を用いた実験室実験により検証する。 2020年度は、経済実験を教室にて対面で行うことが困難となり、またいつ対面実験が再開できるか見通しが難しくなった。そこで代替的かつ継続可能な手段としてオンライン経済実験環境(z-Tree Unleashed)を確立する必要が生じた。この環境はごく最近になって研究者により開発されたため、日本で先に実装した例はごくわずかであった。そのため所属機関において、この実験環境を対面実験並みに安定して運用できる水準まで準備するのに半年程度の時間を要した。 2020年度は、Aoyagi, Masuda and Nishimura論文のセミナー発表、高次曖昧さ態度抽出方法論にかんする発表を数件行った。また、関連文献の調査とオンライン学会参加を通じた情報収集を中心に活動した。とくにD-TEA (Decision: Theory, Experiments, and Applications) ワークショップでは高次リスク(・曖昧さ)態度にかかわる最先端の実験研究を知ることができた。 研究課題と関連する論文2本を、ディスカッション・ペーパーとして公開した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
19年度までの研究では経済実験を教室にて対面で行ってきたが、20年度には対面実験の実施が困難と判断した。そこで代替的手段としてオンライン経済実験環境を確立する必要が生じた。この環境を対面実験並みに安定して運用できる水準まで準備するのに時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
オンライン経済実験と対面実験の双方を活用していく。
|
Causes of Carryover |
実験の実施を延期し、またその結果を学会で発表する機会がなくなったため。
|
Research Products
(7 results)