2022 Fiscal Year Research-status Report
都市構造の違いがもたらす基礎自治体財政収支への影響
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20K13491
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
関口 駿輔 石巻専修大学, 経営学部, 准教授 (10711252)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 立地適正化計画 / 確率的フロンティア / 効率性 / ポリセントリック指数 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度において、立地適正化の対象とする都市計画区域とそれ以外の区域との基礎自治体財政の効率性を推定するためのデータの収集・整備を行っていた。本年度は主に、収集・整備したデータに基づいて次の2点について実証分析を行った。 1.基礎自治体ごとの歳出総額、または総務費を除いた歳出総額に関する効率性値の推定(確率的フロンティアモデルによる) 東日本大震災による影響をコントロールするため、対象としたデータ期間を2005年及び2010年とした。本推定の特徴としては、歴史的・地理的特殊要因を推定モデルに明示的に考慮した点にある。歴史的・地理的特殊要因は主に豪雪地帯、特別豪雪地帯、奄美・小笠原振興、沖縄振興、原発立地自治体をそれぞれダミー変数にてとらえている。歴史的・地理的特殊要因を考慮する理由は、これらの特殊要因が自治体の非効率性値を高く推定することとなってしまう問題があるためである。 2.都市構造の違いがもたらす効率性値への影響 推定した効率性値(非効率性値)に対して、都市構造(人口密度やポリセントリック指数)がどの程度影響を与えるのかを明らかにした。この推定を通して、現下進められている立地適正化計画を策定・実施することによって効率性を高められることを明らかにした。 上記について、日本計画行政学会全国大会(山口大会)において報告を行い、座長、討論者、フロアーから有意義なコメントを頂戴した。また、研究成果として博士学位論文を作成し学位(博士 経済学)を取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響があり、海外の先進地視察や国際学会報告ができなかったものの、国内の学会報告やその成果としての学術論文を作成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
海外学術誌への投稿に向けて、論文にまとめているところである。またCOVID-19の影響が緩和されたこともあり、海外先進地視察を行い理論モデルと現実との乖離の解消を行う。
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Causes of Carryover |
初年度及び二年目においてCOVID-19の影響により、海外先進地視察及び国際大会での報告ができなかったため、次年度の繰越しを行ってきた。三年目には徐々にCOVID-19の影響が緩和されたこともあり、支出計画に基づいて研究費を使用してきたものの、研究の進捗が開始時点の計画と比べて若干遅れていることもあり、過年度の繰越分が若干残っている。 補助事業を1年間延長することについて、日本学術振興会から承認を得ていることから、当初の研究計画を達成すべく、先進地視察や国際大会での報告などに繰越分を適切に活用していく予定である。
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