2022 Fiscal Year Research-status Report
顧客とサービス提供者の社会的選好を考慮したサービス・システムの最適設計
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20K13574
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
佐野 宏樹 立命館大学, 経営学部, 准教授 (70779628)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サービスオペレーション / サービスシステム / サービス設計 / サービスモデル / 行動科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は実店舗を持つ小売業者による宅配サービスの研究を進めた。実店舗販売と宅配サービスを同時に行う小売業者のビジネスをミクロ経済学的なモデルで表し、小売業者の価格決定や消費者余剰などについて考察した前年度の研究成果を基に、令和4年度は小売業者による宅配価格の差別化が消費者余剰などに与える影響について分析した。分析結果として、消費者の店舗までの移動にかかる費用に応じて異なる宅配価格を設定する場合、全ての消費者に対して均一の宅配価格を設定する場合と比べて、小売業者の利益と消費者余剰の両方を増加させる可能性があることを示した。ただし、この結果は特定の条件の下で限定的に示したものであり、この結果を実際のビジネスの状況とどのように結びつけて考えるべきかについては今後さらに検討を進める必要がある。この研究については令和4年8月25日にThe 6th World Conference on Production and Operations Managementにおいて口頭で発表した。 上記の研究以外には、観光地のサービスシステムに関する研究を進めた。具体的には、大阪市の主要な観光スポットの場所と宿泊施設の場所の分布状況との関係から、都市観光開発の政策的側面について考察した。この研究では、モーランのIと呼ばれる統計量などを用いて宿泊施設の分布状況を定量的に把握できることや、都市において観光行動によって生じる混雑の問題の緩和などのためには観光客の動きも考慮に入れた都市計画を行うことが重要であることを確認した。この研究の予備的な成果をまとめた論文は、Journal of Responsible Tourism Managementに掲載された。また、観光サービスにおけるメタバースの発展可能性について端的にまとめた論文をWakayama Tourism Reviewに発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大の影響が続き、当初予定していた国際会議への現地参加を行えなかった。また、研究を進めていく中で、研究開始当初に考慮していなかった先行研究の成果や研究方法を踏まえて研究を実施するべきことがわかり、当初の研究計画の修正のために追加的な時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は小売業者の宅配サービスについて、実店舗小売業者、宅配業者、卸売業者の取引関係を評価するための数理モデルの構築と分析を目指す。また、宅配あるいは交通サービスに対する消費者の態度に関するデータの収集も目指す。
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Causes of Carryover |
令和4年度もCOVID-19の感染拡大の影響が続き、当初計画していた国際学会への現地参加を行うことができなかった。そのため、国外出張費用の不使用分が次年度使用額として残ることとなった。また、令和4年度に計画していたデータの収集に関して、研究開始当初に考慮していなかった先行研究の成果や研究方法を踏まえた計画の修正に時間を要したため、令和4年度中にデータの収集を実施することが難しくなった。そのため、データの収集のための費用の不使用分も次年度使用額として残ることとなった。令和5年度においては、令和4年度の次年度使用額を宅配あるいは交通サービスに対する消費者の態度に関するデータの収集と、国外で現地開催される国際学会への参加のために有効に活用したいと考えている。
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Research Products
(10 results)