2023 Fiscal Year Research-status Report
顧客とサービス提供者の社会的選好を考慮したサービス・システムの最適設計
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20K13574
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
佐野 宏樹 立命館大学, 経営学部, 准教授 (70779628)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | サービスオペレーション / サービスシステム / サービス設計 / サービスモデル / 行動科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は実店舗を持つ小売業者の宅配サービスのミクロ経済学的アプローチによる研究を進めた。具体的には、小売業者主導のケースと宅配サービス業者主導のケースについて、サービスシステム全体にとっての望ましさを比較した。分析結果を基に、参入障壁効果の有効性とケースの選択との関係を議論した。この研究については令和5年9月19日にオペレーションズ・マネジメント&ストラテジー学会第15回全国研究発表大会において口頭で発表した。聴衆者からの意見として実務への示唆がやや不明瞭というコメントがあったため、その後も最近の宅配サービスの動向を調査しながら数理モデルの設定の修正を進めている。 上記の研究以外には、観光のサービスシステムに関するいくつかの研究を進めた。第一に、観光地域づくり法人によるソーシャルメディア上のメッセージの効果の限界について、解釈レベル理論を援用して示した研究を論文にまとめた。この論文はTourism Managementに発表した。この論文では特に、メッセージ閲覧者の旅行計画に対する時間的距離と、メッセージのタイプ(感情的または認知的)の影響に着目した。第二に、都市観光においてグリーンスローモビリティがスローツーリズム実現の土台となる可能性を事例研究を基に議論した論文を、Journal of Responsible Tourism Managementに発表した。スローツーリズムは主に非都市の観光地の文脈で議論されてきた概念であり、この論文では都市観光におけるグリーンスローモビリティによるスローツーリズムの発展という新たな観点を示した。第三に、観光地の混雑緩和を目的とする観光型MaaSアプリの活用をテーマとする研究の方向性について、令和6年3月6日にサービス学会第12回国内大会において口頭で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を進めていく中で、研究開始当初に考慮していなかった先行研究の成果や研究方法を踏まえて研究を実施するべきことがわかり、引き続き当初の研究計画の修正のために追加的な時間を要している。また、為替の変動や物価高を理由とする研究計画の修正も、進捗状況に少なからず影響を与えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は小売業者の宅配サービスについて、実店舗小売業者、宅配業者、卸売業者の取引関係を評価するための数理モデルの構築と分析をさらに進める。また、都市部における人の移動パターンに関するデータの分析を進める。この分析は都市部の交通サービスに関する議論へとつなげたいと考えている。
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Causes of Carryover |
令和5年度は国際学会への現地参加の機会を得ることが1回にとどまり、国外出張費用の不使用分が次年度使用額として残ることとなった。また、令和5年度に計画していたデータの収集に関して、研究目的に沿う二次データについての情報の収集と理解に時間を要し、必要な二次データの購入を完了することができなかった。令和6年度においては、令和5年度の次年度使用額を交通サービスに関する二次データの購入と、国際学会への現地参加のために有効に活用したいと考えている。
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Research Products
(7 results)