2021 Fiscal Year Research-status Report
デジタル文化資本と企業のICT投資:大規模サーベイとフィールド調査の混合研究法
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20K13599
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
清水 たくみ 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (30843982)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | デジタル組織 / デジタル文化資本 / 質問紙調査 / 敏捷性 / ハイブリッドワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はデジタル時代の組織文化に着目し、企業が有するデジタル文化資本がICT投資成否に与える影響、およびデジタル文化資本形成に資する実践について明らかにすることを目的としている。これまで行われてきた先行研究では、どのような組織がICT投資を成果に結びつけているかについては統一的な見解が得られていない。そこで本研究では日本企業に対する大規模サーベイ調査を実施し、現代の企業経営に大きな影響を及ぼすICT投資の成否を左右する組織的要因について探求を実施する。本年度は、デジタル文化資本がICT投資成否に与える影響を定量的に評価するために、東証一部上場企業全社に対して質問紙調査を実施した。前年度知見を蓄積したデジタル文化資本の理論モデル・測定尺度を元に、デジタル文化資本やデジタル成熟度、組織の敏捷性、デジタル技術に関わる柔軟性、ハイブリッドワークへの組織的制度的取り組み状況等、デジタル組織に関わる様々な組織要因に関するデータを蓄積した。また、本調査対象サンプルは全て上場企業であるため、財務データなど各企業のその他属性情報を各種データベースから収集し、本研究で取得したサーベイデータとそれら公開情報を結合することで唯一無二のデータセットを構築した。これら本年度の蓄積・研究成果を活かし、次年度では取得したデータの記述統計およびパネルデータ分析などを進め、研究論文として学会や学術誌等でのアウトプット創出を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度実施予定であった上場企業向けサーベイ調査を予定通り実施。次年度移行の分析・研究発表へと順調な進捗を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に構築したデータセットを基盤に、記述統計およびパネルデータ分析などを進めて論文作成・学会発表等へつなげる
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによる研究計画への影響により、当初と一部支出計画に変更が発生(国際学会への参加中止など)。発表予定だった研究内容は次年度に開催が決定している国際会議で報告を実施するため、次年度使用額はそれらの旅費・参加費用支出等で使用する。
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