2023 Fiscal Year Research-status Report
過去の組織変革の経験が今後の組織変革に与える影響の理論的・実証的解明
Project/Area Number |
20K13600
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小沢 和彦 慶應義塾大学, 商学部(三田), 准教授 (30754428)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 経営組織論 / 経営戦略論 / 組織変革 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、研究成果として1本の論文をまとめた。具体的には、「ダイナミック・ケイパビリティと組織変革」というタイトルの下で、『三田商学研究』に研究成果を発表している。以下では、その論文の内容について説明したい。 近年は、環境が不確実・不安定であることが常態化しており、常に組織は環境に対応する必要があるといわれる。このような現状を踏まえて、経営戦略論ではダイナミック・ケイパビリティの概念が注目されている。ダイナミック・ケイパビリティは次の3つに分類できる。3つとは、センシング(sensing)、シージング(seizing)、トランスフォーミング(transforming)である。一方で、環境変化への対応について、経営組織論の中で注目されてきた概念が組織変革である。本論文では組織変革研究におけるダイナミック・ケイパビリティ論の可能性及び今後の研究課題について検討している。 本論文では、組織ルーティンや満足化の議論に加えて、ダイナミック・ケイパビリティを考慮することで、「過去の組織変革に関する経験」が今後の組織変革活動に与える影響のメカニズムの解明に近づくことできると考えている。 メカニズムの解明のためには、「過去の組織変革に関する経験」が(ダイナミック・ケイパビリティ論が注目している)センシング、シージング、トランスフォーミングのそれぞれにどのような影響を与えるかの詳細な検討が必要になる点を論じている。その際には、組織変革の分類についても詳細な検討が必要といえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究以外の業務との関係もあり、実証面での検討がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、実証面でも研究をすすめ、成果を論文としてまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
研究以外の業務との関係もあり、実証面での検討がやや遅れているため。
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