2023 Fiscal Year Research-status Report
How traditional gender norm is maintained in the process of commercializing intimate life
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20K13612
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
織田 由美子 名古屋商科大学, 商学部, 准教授 (10867716)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 制度論 / 制度ロジック / ジェンダー / ロボット掃除機 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、結婚や育児、介護等、プライベート領域の市場化において、伝統的なジェンダー規範が維持されるプロセスについて、市場で活用されるテク ノロジーなど物質性の影響という観点から明らかにすることである。より具体的には、恋愛や結婚、または掃除や洗濯など家事に関わる実践が市場化され、普及 する一方で、伝統的なジェンダー規範が維持されるプロセスを明らかにするということであった。 上述を明らかにする上で、特に本研究は、企業のマーケティングのみならず、テクノロジーの構成といった物質性が、意図せずしてジェンダー規範の温存に影響を与える可能性について検討した。 このような研究目的に対し、当該年度の研究計画においては、家事関連のテクノロジーに関する実証研究として、「ロボット掃除機」に関する事例研究を遂行した。 テクノロジーの採用において、効率化の追求と文化的抵抗という対立は、利用プロセスにおいてどのように解消されるのか。ロボット掃除機の事例をもとに、矛盾する制度ロジックを保有するテクノロジーが消費者にどのように受け入れられ、消費者との関係性がどのように構築されるかを検討した。 具体的には、ロボット掃除機の利用者30名に対し、オンラインでのインタビューを行い、利用状況、正当化の方法等について確認した。インタビュー内容は全てデータ化され、コーディングした上で、分析を行った。研究成果は、Society for the Advancement of Socio-Economics学会にて発表したのちに、学術誌「消費者行動研究」に投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロボット掃除機の事例研究について、昨年度の修正案に従い、インタビューデータの分析、コーティング等の作業をもとに、論文投稿を完了した。本年度は予定通り研究が完了する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
「婚活」、「ロボット掃除機」いずれの研究においても、論文の投稿を完了した。今後は査読結果に応じて修正の対応を行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は2点ある。第1に、海外学会の開催がオンラインにて行われた、第2に論文投稿の遅延により翻訳費が発生しなかったことである。この点については2023年度以降に実施していきたい。 海外学会での発表については、2024年7月にサンディエゴにて開催される消費文化学会にて発表を行う予定である。ここで得たフィードバックをもとに、論文投稿を行う。
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