2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of Customer Retention Strategy in Retail Store by Bayesian Model
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20K13626
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
山田 浩喜 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 准教授 (90825704)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 階層ベイズモデリング / 変数選択付モデル / ブロックモデル / 百貨店業態 / ドラッグストア業態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ベイズモデリング技術を用いて消費者ごとの購買心理・行動傾向を解明することを目的にしている。具体的には、百貨店、スーパーマーケット、およびドラッグストア等の小売店舗におけるID付POSデータ、またはアンケート調査データを用いて、消費者購買に作用する潜在的要因の解明、ベイズモデリングによる情報抽出技術の開発に着目している。 当該年度においては、4本の研究論文(査読有2本、査読無2本)、学会発表2回の成果をあげている。論文については、1本目に百貨店の発展におけるカルチャー施設の貢献について百貨店店舗担当者への取材を通じた定性調査をもとにまとめている。また、2本目に岐阜県に所在するドラッグストアのID付POSデータを用いて消費者(行)と菓子ブランド(列)を同時にクラスタリングし購買傾向を抽出する論文を発表している。当該研究は、比較的新しい分析手法であり、今後のマーケティング研究領域および実務には有効な手法であると考えられる。3本目では百貨店店舗のID付POSデータとマーケティング施策データを用いて、百貨店顧客一人ひとりの客単価形成に影響を与えるマーケティング施策について、階層ベイズモデルを用いて解明している。4本目には百貨店顧客の購買金額と来店回数に対するマーケティング施策の影響を解析した論文を発表している。当該研究では、ポアソン回帰モデルとトービット回帰モデルを同時に解析している。 また、学会発表は、日本流通学会、行動計量学会で行っている。日本流通学会では、当該年度で実施したドラッグストア(Vドラッグ・ゲンキー)の満足度調査アンケートをもとに満足に影響する店舗サービス要因を分析している。さらに行動計量学会では百貨店顧客の購買金額に対する商品カテゴリーの慣性行動の影響を分析したものを発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的、手法を申請段階から明確にしていたことが大きい。 そのため、百貨店とドラッグストアのID付POSデータは、昨年度から調査会社に依頼し承諾を得ることができた。また、アンケートについても、すみやかにグループインタビューの実施(質的データ収集)→アンケート実施(量的データ収集)を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ドラッグストアと百貨店のID付POSデータの分析、百貨店とショッピングセンターのアンケート調査および分析を行っていく予定である。前者は、昨年度の調査を発展させたものである。ブロッククラスタリングおよび階層ベイズモデルを発展させたモデルを提案していきたい。後者は、競合する百貨店店舗間の満足度調査、百貨店とショッピングセンターの満足度調査を中心に進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
店舗取材および学会発表のための出張が、コロナ感染の広がりでできなかったため。感染状況に左右されてしまうが、ドラッグストアおよびショッピングセンターの取材、視察をできるかぎり早く実施したいと考えている(8月~9月予定)。
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