2020 Fiscal Year Research-status Report
監査役等の会計専門性が監査人の選任過程に及ぼす影響に関する実証研究
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20K13663
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
山本 健人 熊本学園大学, 専門職大学院会計専門職研究科, 講師 (30824445)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 監査役等の会計専門性 / 議決権行使 / 監査事務所の規模 / 監査人の選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,本研究の遂行に必要なデータベースの構築を行った。具体的には以下の作業を行った。まず,株式会社プロネクサス社が提供する企業情報データベース「eol」を用いて,2010年4月1日から2018年12月31日までに提出された株主総会の議決権行使結果が記載された臨時報告書を収集し,監査人選任議案を提出した企業を特定した。そして,当該企業の株主総会招集通知とその添付書類(事業報告や計算書類など)を追加で入手し,(1)監査人選任議案に対する議決権行使結果,(2)当該議案の可決前後の監査人に関する情報(前後の監査事務所の規模など),(3)当該議案を提出した企業の役員特性に関する情報(監査役等の会計専門性など)をすべて手作業で収集し,データベースを構築した。 本研究の目的は,「監査役等の会計専門性は監査人の選任議案作成にどのような影響を及ぼすのか」解明することと,「監査役等の会計専門性は監査人の選任議案に対する議決権行使にどのような影響を及ぼすのか」解明することである。前者のテーマについては上記データベースの(2)と(3)を用いることで,後者のテーマは(1)と(3)を用いることで分析可能と考える。 申請者は上記データベースの構築に加え,東洋経済新報社が提供している「財務データ・ダイジェスト版」を購入し,企業特性や業績などを考慮した分析が可能になるようデータベースの結合作業も行った。 本年度の研究活動は,今後の研究を遂行する上で不可欠な作業である。また,本研究は一般に購入可能なデータベースで分析できない領域について,オリジナルなデータを用いることで分析する点が特徴であるが,そのような特徴づけにとって重要な作業を本年度は行った。分析の基礎は完成したので,今後は論文等を通じて研究成果を発信していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たなデータベースを構築したため,試行錯誤を繰り返した。その結果,データベースの完成(秋頃)と分析(冬以降)を当初は予定していたが,データベースの完成のみになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に構築したデータベースを用いた分析を行い,学会報告や論文を通じて研究成果を発信する。特に,次年度は「監査役等の会計専門性は監査人の選任議案に対する議決権行使にどのような影響を及ぼすのか」という課題に関連する研究を中心に進める予定である。なお,研究テーマによっては,本年度のデータベースのみでは不十分な場合もあるが,適宜,データの追加を行い分析する。
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Causes of Carryover |
参加予定にしていた学会や研究会がオンライン開催となり,旅費を使用する機会がなかったため,次年度使用額が生じた。次年度も旅費の使用機会は少ないことが予想されるので,場合によっては,データベースの購入に充てる予定である,。
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