2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K13867
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿知良 洋平 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 講師 (00754722)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 狩猟 / たたら製鉄 / 技術生活史 / 科学 / 技術学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルスの影響により、文献を用いた研究に限定されたが、以下のような成果が得られた。 第一に、技術学習の背景にある人間存在論について深めるため、自然と科学との関係を基軸に近代の労働社会の展開論理を明らかにした、ハンナ・アレントの<生命>論を検討した。 第二に、コロナ禍にある程度の社会的決着がついたのち、技術生活の現代的再構成を意識的に行う実践の調査を行う下準備として、日本史における技術生活の地域史を文献により検討した。例えば、東北地方の雑穀栽培・食文化に関わる技術知、出雲・伯耆地方におけるたたら製鉄に関わる技術知、農村において常に周縁的存在に置かれてきた山に暮らす人びと、特に全国各地のマタギ文化に内包された狩猟と人間関係に関する知識などを文献調査をもとに検討した。 第三に、コロナ禍においても、足元の地域において学習実践を組織することは、僅かながらであるが可能であったため、狩猟生活について、地元の猟師さんに協力をいただき、狩猟が持っている学習的意味について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、出張による実地調査を行うことが困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
重症化リスクの高い人への面会はしばらく不可能であると予測されるが、感染が落ち着いている地域において、相互にリスクへの同意ができた場合に限り、徐々に実地調査を開始していきたいと考えている。現代の地域生活の再構成において、技術生活をその焦点においている地域事例を訪問し、そこでの学びの内容と方法について検討し、その学びがどのような技術観、科学観、社会生活観を育てているのか調査したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、実地調査ができなかったため、旅費の執行がなかったため。
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Research Products
(1 results)