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2022 Fiscal Year Research-status Report

Developing Educational Methods for Fostering Critical Thinking Skills in EFL: Focusing on the International Baccalaureate English Courses

Research Project

Project/Area Number 20K13884
Research InstitutionMeiji University

Principal Investigator

赤塚 祐哉  明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (30760748)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords教材開発 / 批判的思考態度 / 高次思考力 / 問いへの応答
Outline of Annual Research Achievements

2022年度は批判的思考育成を目指す英語教材の開発を主眼とし、教材を用いて高校生英語学習者の批判的思考の深まりを捉えた。この目的の実現のため、国際バカロレア(IB)プログラムにおける批判的思考指導の方略と高等学校学習指導要領の趣旨も踏まえた教材開発を行い、教材を使用して指導した結果を難易度判定の指標とテキスト分析により分析した。その結果、次の2点を明らかにできた。1) IBの批判的思考の方略が教師からの問いへの応答といった形式を採用していることを明らかにできた。2) 他の履修者との英語による対話が促されることによって批判的思考の深まりに良い影響を与える可能性が示唆された。一方、批判的思考の一要素である他者の視点への気づきや、反駁する態度への深まりが確認できず、調査対象者が情報を鵜呑みにしている可能性も示唆された.
そこで、改定版教材の開発に着手し、高次思考力レベルの問いへの応答への抵抗を減らすために学習者同士のインタラクションを促すこと、反対意見を持つことや反論をすることを意識させるためにペアで書いたり話したりすることを促すことを考慮して教材を作成した。調査は国内の3つの高等学校で実施した。効果測定のために批判的思考態度を測定する尺度と、英語使用における批判的思考を測定する尺度を用いた。その結果、改定版の英語教材は学習者の批判的思考態度を育成することに有意であることを確認した。加えて、改定版の開発教材は英語使用場面での批判的思考態度の向上に有意であることを明らかにした。特に、テキスト分析の結果により 、1)異なる主張の提示数が増加したこと、2)根拠となる具体例の数が増加したこと、3)反対意見としての強い主張の数が増加したこと、4)反論としての提案や具体的な主張が示されたこと、5)文章に具体的な根拠が示されたこと、の5点を確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題では、国際バカロレア・ディプロマプログラム(IBDP)の批判的思考指導に係る教育理論や哲学について整理・分析を行うことを目的としている。そこで、内実を明らかにするために国内のIBDP実施校で使用されている実物資料の分析に加え、授業の参与観察、教師へのインタビュー調査を実施し、IBDPの批判的思考理論と哲学の核を特定することができた。そして、特定した理論・哲学を踏まえた英語教材の開発に着手した。英語学習者が他者の視点に気付いたり、反駁したりする学習機会をもてるような理論的枠組みを組み入れることにより、英語使用場面において批判的思考態度を発揮できることを定量的・定性的に明らかにできた。
なお、本研究課題で得られた研究成果については、埼玉県教育委員会「国際バカロレア等特色ある教育検討事業」運営協力委員会委員(2022年度)として、IBDPの教育方法に係る研究の指導助言に活かすこともできた。学術論文・著書としては以下を刊行することができた。
〔共著〕赤塚祐哉, 菰田真由美, 安田明弘, 木村光宏. 2022.「IBの学習理論を踏まえた教材による批判的思考育成の検証ー授業場面及び英語使用場面での態度変容に着目してー」『国際バカロレア教育研究』6, 57-69.
〔共著〕御手洗明佳, 赤塚祐哉, 井上志音. 2023.『国際バカロレア教育に学ぶ授業改善-資質・能力を育む学習指導案のつくり方』北大路書房.(A5判192頁2023年4月刊行)

Strategy for Future Research Activity

本研究課題の知見として、英語授業では、正解が1つとは限らない問いへの応答を中心とした指導によって、学習者の批判的思考育成に有意な効果がある可能性が示唆された。一方、これまでの研究では、英語熟達度が欧州言語参照枠(CEFR)でB1及びB2レベル(中程度のレベル)を対象とした知見は得られたものの、A1及びA2レベル(下位レベル)の英語学習者を対象とした知見は十分に得られていない。一般社団法人大学IRコンソーシアム(2019)による調査では、国内の大学1年生の現状として、書く力がCEFR A1・A2レベルに該当する者が51.7%、話す力は84.9%であることが報告されている。換言すれば、英語熟達度が低い層が分厚いものの、そうした学習者への教育効果については研究対象として十分に検証がなされていない。そこで、今後の研究課題として「英語熟達度が低い学習者が英語で話したり、書いたりする場面において批判的思考を発揮するためには、英語授業においてどのような『仕掛けづくり』が必要なのだろうか」を設定する。この目的の実現のため、教材開発と指導の方法の手立てを学術的知見に基づき検討する。具体的な手立てとして、外国語学習の環境が日本と類似している台湾のIBDP実施校、そして英語熟達度が低い留学生を対象とした英語授業プログラムを実施している英国のIBDP実施校を分析対象として加える。

Causes of Carryover

新型コロナウィルス感染拡大の影響により、国外調査の実施を見送ったため。2023年度に台湾及び英国調査を実施する。次年度使用額は主に国外調査の旅費及び宿泊費、調査謝金として使用予定。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] IBの学習理論を踏まえた教材による批判的思考育成の検証ー授業場面及び英語使用場面での態度変容に着目してー2022

    • Author(s)
      赤塚祐哉, 菰田真由美, 安田明弘, 木村光宏
    • Journal Title

      国際バカロレア教育研究

      Volume: 6 Pages: 57-69

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 国際バカロレアプログラムの導入拡大の背景と導入目的ーラバリーの教育改革論と国際バカロレア導入校のアドミッションポリシーに着目してー2022

    • Author(s)
      赤塚祐哉
    • Journal Title

      文教大学国際学部紀要

      Volume: 33 Pages: 1-12

  • [Presentation] Integrated English for Critical Thinking2023

    • Author(s)
      赤塚祐哉
    • Organizer
      日本英語教育学会
  • [Presentation] エリクソンの概念型学習モデルを踏まえた教育方法の検討 ―国際バカロレアの批判的思考指導の方略・実践に着目して-2022

    • Author(s)
      赤塚 祐哉, 木村 光宏, 菰田 真由美, 安田 明弘
    • Organizer
      日本国際バカロレア教育学会第7回大会
  • [Book] 国際バカロレア教育に学ぶ授業改善2023

    • Author(s)
      御手洗明佳, 赤塚 祐哉, 井上志音
    • Total Pages
      192
    • Publisher
      北大路書房
    • ISBN
      9784762832192

URL: 

Published: 2023-12-25  

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