2021 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児施設や保育者の状況を考慮した食育活動推進マニュアルの作成
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20K13964
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Research Institution | Nagasaki Junior College |
Principal Investigator |
西田 江里 長崎短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (50389516)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食育 / 乳幼児施設 / 保育者 / 保護者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳幼児に対する食育活動の一層の推進とそれによる食生活の向上を目指し、乳幼児施設における食育活動推進における課題を明らかにすることを目的としている。 令和3年度は前年度実施した研究者所属施設所在市にある乳幼児施設を対象とした①乳幼児施設における食育活動の実態および②食育活動に対する保育者等の認識に関するアンケート調査の集計、統計処理を行い公表した。 ①乳幼児施設における食育活動の実態:対象とした103施設のうち、65施設(63.1%)から回答を得た。63(96.9%)の施設では食育に関する計画が策定されていた。自園で調理した給食を提供していたのは58施設(89.2%)であった。管理栄養士・栄養士を配置していたのは42施設(64.6%)あり、本市における栄養士配置状況が東京23区などを含む主要都市93.6%(中岡ら、2021)よりも低い傾向がみられた。食育活動として栽培活動を行う施設は62(95.4%)あり、管理栄養士・栄養士が未配置施設では配置されている施設に比して栽培されている作物の種類が多い傾向がみられた(p<0.05)。 ②食育活動に対する保育者等の認識:103施設に勤務する224名の教職員より回答があり、保育者(64.6%)が最も多かった。食育に対しては「関心がある」(53.6%)、「どちらかといえば関心がある」(44.5%)という回答が多く、施設での食育は「必要である」(97.1%)という回答が多くみられた。回答者の所属施設で食育活動を月1回以上実施している割合は71.3%であった。施設での食育活動を困難にする理由としては時間(準備時間:31.1%、活動時間26.3%)、費用(30.2%)、人員(24.9%)といった、施設内部の要因に関することが多く見られ、食育に関する知識の不足(24.9%)や具体的なマニュアルの不足(15.3%)も理由として見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は前年度に行ったアンケート調査の集計統計処理を予定しており、予定通り実施できている。しかし、新型コロナウィルス感染症が継続して施設での食育活動に影響を及ぼしている実態があり、各機関への連絡や訪問、調整などが滞っていることから、次年度以降の研究計画のための調整が滞っている。 また、学会への参加などが十分にできておらず、情報収集などが十分にできておらず、一部の学会では学術総会などの実施が見送られており、予定していた公表の機会が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は前年度に収集した調査データの集計・統計処理を行い、得られた結果は学会発表などで公表した。今年度においても引き続き得られた結果を学会発表などで公表する予定である。また、調査データをまとめた報告書を作成し、協力施設等に配布する予定である。 結果より明らかとなった、各施設の抱える課題の解決や対応方法を検討し、保育者や栄養士の経験の多少により左右されることのない実施可能な食育活動推進マニュアル作成についても引き続き実施する。 さらに、新型コロナウィルス感染症の影響に関する追加調査の実施に向けた調整を行い、食育活動における新型コロナウィルス感染症の影響についての追加調査を実施したいと考える。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響により、参加を予定していた学会がオンライン学会となり、旅費の使用がなかった。同様に、研究協力施設との対面打ち合わせを予定していたが、一部をメール・電話・Zoomなどで行ったため、旅費の使用がなかった。 次年度は中止やオンライン開催とされていた学会が対面にて実施される見込みであるため、学会発表の旅費として使用する見込みである。また、研究協力施設との打ち合わせにおける旅費としても使用する見込みである。
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Research Products
(1 results)