2020 Fiscal Year Research-status Report
日本語支援を考えた国語科教科書理解のための言語的知識の特定とその理解過程の可視化
Project/Area Number |
20K13993
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
宮部 真由美 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, プロジェクトPDフェロー (60823383)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中学校国語 / 読み物教材 / 日本語支援 / 言語的な難しさ |
Outline of Annual Research Achievements |
中学学齢期の日本語支援を必要とする生徒は,初期の日本語学習を終えたあと,それよりも高度な日本語で書かれている教科書の日本語を理解しなければならないが,そのための手当てはほとんど行なわれていない。本研究は,国語教科書の内容を理解するためにどのような日本語の言語的な知識が必要となるのか,その理解過程がどのようなものであるのかをあきらかにするものである。 本年度は,(1)国語教科書の読み物教材をデータ化すること,(2)ワーク・問題集などの読み物教材から「問い」を抽出することを計画していた。(1)に関しては令和3年度から新学習要領による新しい教科書が採択されることからその教科書の購入して作業を行ないたかったが供給順が生徒よりもあとになるため令和2年度中に購入することがかなわなかった。(2)に関しては市販されている13冊のワーク・問題集から「問い」を抽出し,何が問われているのか,どのような知識があれば解答できるのかなどの分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ワーク・問題集の分析と並行して行う予定であった教科書の読み物教材のデータ化が教科書の入手が難しかったため遅れているが,ワーク・問題集の分析は順調に進んでいる。 コロナ禍のため,作業を頼む人を探すのに時間がかかり,全体的に後ろにずれこんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
国語教科書の読み物教材をデータ化,形態素解析を行ない,教科書の語彙の特徴を概観する。ワーク・問題集などの読み物教材の分類・分析についても引き続き,種類を増やして行う。 可能であれば,現場の国語教員にインタビューを行ない,実線者からの意見を問題点,困難点の収集を行ないたいと考えている。しかし,コロナ禍のなかで,そうでなくても忙しい教員が対応してくれるか,また十分なインタビューができるかなど,困難が考えられるため,慎重に検討したいと思う。
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Causes of Carryover |
謝金で作業してもらう人がコロナ禍のため探すのに時間がかかり,作業が後ろにずれこんでいる。 また,一部の作業は資料を入手できなかったため,今年度に作業できなかったため,次年度に行なう。
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