2022 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental study on improvement of statistics education in Japan from the perspective of Inferentialism
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20K14013
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
大谷 洋貴 日本女子大学, 人間社会学部, 助教 (40825238)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 統計教育 / 数学教育 / 推論主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究の目的は,推論主義の視座から現在の統計教育の問題点を考察するとともに,それを改善するアプローチを開発して提案することである。推論主義は統計教育改善のための有望な哲学として注目されているが,具体的にどのように改善し得るのかまではまだ研究がなされていない。問題点の特定とその改善のためには,推論主義についての深い理解が必要になる。 2022年度は推論主義の知見を背景にしながら仮説検定の考え方や確率と統計の接続等の主題に取り組み,研究会で成果の一部を報告した。本申請研究を進める中での着想をもとに,幾何の事例ではあるが,数学教育において用いられている語句の意味を分析する新しい方法を検討し,報告することができた。また,まだ学会等で報告することができていないが,統計グラフの指導の問題点を推論主義の観点から分析した。これら以外にもいくつかの投稿中の論文がある。 今年度も推論主義を専門とする哲学研究者の協力を仰ぎながら研究を進めることができたが,一方ですべての研究成果を論文として発信することは十分にできなかった。この点が今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
推論主義の知見を踏まえていくつかの研究成果を報告することができたが,まだそれらの論文化には至っていない。このことから「おおむね順調に進展している」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はこれまでに実施してきた研究成果をまとめ,論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために学会・研究会への参加や実地調査に係る旅費・交通費として計上していた過年度の予算を使用することができなかった。また,コロナ禍による研究教育環境の変化から,研究を進めることはできたものの,その成果報告まで終わらせることができなかった。そのため,今年度は論文の投稿や公表にかかる経費に充てる予定である。
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