2023 Fiscal Year Research-status Report
見知らぬ他者への利他性を抑制する心理メカニズムの解明 生業に着目した検討
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20K14129
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺嶌 裕登 名古屋大学, 教育基盤連携本部, 特任准教授 (10851967)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 利他性 / 文化 / 社会生態学的環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,2022年度の研究成果を踏まえて,各国・各地域における伝統的な農業形態に由来する社会生態学的環境の指標と利他性にかかわる指標,地域的特性,文化的特性,経済指標(GNI)の関連について再検討を試みた。伝統的な農業形態に関する指標としては,農業生産に関わる各種統計を使用し,各国・各地域における稲作の社会的重要性のスコアを作成した。利他性については,主に国レベルのWorld Giving Indexデータ(見知らぬ他者への利他性,ボランティア活動の頻度,寄付額の多寡)を利用した。地域的特性については住居移動性に関わる指標等を,文化特性については,Hofstede et al. (2010) のIBMスコア等を使用した。 分析の結果,伝統的な稲作が文化的な利他性の抑制につながるという本研究の基本的想定と整合的な結果が得られた。この結果は前年度の研究成果と一貫したものだが,前年度の分析と比較し,明らかに大きな効果量を得ることはできなかったことから,前年度の研究に使用した指標を改善し,各国・各地域における伝統的な農業形態に関する社会生態学的指標のより適切なスコアを作成するという意味では,大きな成果を上げられなかった。一方で,住居移動性や文化的特性を含めた全般的な検討ではいくつか新しい有意な相関が見られ,この点については,個人を対象とした調査研究により,さらなる検討の必要性が示唆された。 また,文化間・地域間比較を行うための質問項目の収集・作成等を行ったが,実際に測定し信頼性・妥当性を検証する段階までは至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究以外の業務により本研究計画のために十分な研究時間を確保できなかったため,研究の遂行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
尺度作成や文化間・地域間比較を行い,これまでの研究成果で示された文化差・地域差の媒介変数に関する仮説を検証するとともに,実験的操作を含んだ研究により因果関係について調べる。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅れのため,実施を延期した調査等に使用する。
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