2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Applications of Cognitive Behavioral Therapy to Achieve Tailored Treatment
Project/Area Number |
20K14215
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
菅原 大地 筑波大学, 人間系, 助教 (10826720)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 認知行動療法 / アプリケーション / テーラーメイド / Process-Based Therapy / 抑うつ / モバイルヘルス / 機械学習 / 統合的心理療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度の研究実績として,①認知行動療法をウェブ上で体験するアプリ(T-CBT)の改良とユーザビリティテスト,②大学生・大学院生を対象とした介入研究,③テーラーメイド化を推し進めるためのケース研究を行った。 ①に関して,昨年度までは動画視聴後のアンケートの項目が限られていたが,それを自由設定できるように改良した。また,日々の感情の変化を記録し,フィードバックできるように新しくアンケート項目を設定した。改良後,大学生にアプリケーションを利用してもらい,問題なく動作することを確認した。 ②に関して,大学生・大学院生13名を対象に4週間の介入研究を実施した。介入用の動画を25個程度作成し,参加者は4週間,すべての動画を視聴するか,規定以上の動画を再生することが求められた。9名が完遂,4名が部分的に完遂となった。アウトカムの指標としては,ストレスや不眠症状に加えて,作用機序を検討するためにマインドフルネスやセル帆コンパッションについても測定した。この研究で得られたデータについては,機械学習にかけており,作成されたモデルに従って令和4年度に介入研究を実施する。 ③に関して,これまでウェブサイトを用いた介入と自由記述と含んだ評価が研究の中心となっていたが,予測モデルを作成するにあたり,ウェブサイトによる介入だけでは検討できない効果や作用機序が課題として上がった。そこで,大学生1名に対して8週間の対面での介入を実施した。今年度の10月にフォローアップの調査を予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度までの達成目標は以下の通りである。 ①アプリケーションの作成:個別に認知行動療法の動画を呈示できるウェブサイトを一から構築した。当初予定していた以上の機能を搭載することができ,当該研究以外ですでに100人以上の介入で用いているが,現状,利用者側の問題は生じていない。研究用に特化したアプリケーションが完成している。 ②介入用の動画コンテンツの作成:当初の予定通り,25-30個の動画コンテンツを作成した。今年度は,より利用者にとって分かりやすく,かつ興味を引くように動画をブラッシュアップする。 ③パイロットスタディの実施:大学生を対象としたユーザビリティテストに加えて,パイロットスタディを実施した。オンラインだけでなく,個別の介入も実施でき,当初より豊かなデータを取得できた。 ④予測モデルの作成:令和3年度までに収集したデータを用いて,介入のための予測モデルを作成している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度が最終年度となるが,まずは昨年度までに収取したデータを用いて,個人個人に合わせた介入を提供するための予測モデルを作成する。機械学習やネットワーク分析を用いることで,より洗練されたモデルを作成する。 次に,作成されたモデルに準じてテーラーメイド群と,通常介入群を設定し,介入の効果の差を検討する。これが当該年度および本研究のとりまとめの研究となる。 また,今年度はこれまで実施した研究について学会発表をするとともに,国際誌への掲載も目指す。すでにシンポジウムの登壇者になることが決まっており,積極的に研究成果を発信していく。
|
Causes of Carryover |
介入研究の参加者のなかで基準までの参加回数に足らずに謝金額が減額となった者が複数いたため,当初の予定額から差額が生じた。繰り越し分については,今年度も謝金の一部として使用する。
|