2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Applications of Cognitive Behavioral Therapy to Achieve Tailored Treatment
Project/Area Number |
20K14215
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
菅原 大地 筑波大学, 人間系, 助教 (10826720)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Process Based Therapy / 認知行動療法 / インターネット認知行動療法 / テーラーメイド / 治療の最適化 / エビデンスベースドメディスン / アプリケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
うつ病の治療法として,アメリカ精神医学会は軽度から中程度のうつ病に対して認知行動療法を用いることを推奨されているが(APA,2010),本邦では認知行動療法を専門とする治療者が不足しており,そもそも認知行動療法を実施できる医療機関が少ない。そこで,様々な認知行動療法の技法をオンライン上で提供できる仕組みを開発し,その効果検証とパーソナリティなどとの関連を検討することが本研究の目的である。 最終年度では,働く人を対象とした気晴らしに焦点を当てたオンライン介入(研究1)と,心療内科(デイケア)の利用者に対するオンライン介入(研究2)を実施した。一般的に,認知行動療法のプログラムは8週間程度かけて行われることが多いが,研究1では1週間という非常に短期間での介入を行った。それは,オンライン(ウェブサプリ)での介入するために,毎日異なるプログラムを実施することが可能であり,短期間でも様々なワークを体験できるためである。介入の結果,不適応的な気晴らしが減少し,ネガティブな思考も減少することが示された。研究2では,特定の疾患に限らず,何かしらの精神障害を抱える者に対して4週間のオンライン介入を実施した。その結果,様々なワークに対する反応が利用者ごとで異なることが示された。 本研究は,新型コロナウイルス感染症のパンデミックや急速なIT技術の発展といった社会変動,認知行動療法界隈でもProcess Based Therapyという新たな治療の枠組みが提唱されるなど,様々な変動があった。そのなかで,認知行動療法のアプリケーション開発によって,大量のデータから,個人個人に合った治療法を提供するためのエビデンスを創出できたことは大きい。介入の前後比較にとどまらない,介入中の心理的な変動を測定する仕組みをアプリケーションに投入できたため,今後もデータを蓄積し,さらなる精緻なモデルを提唱していく,
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