2020 Fiscal Year Research-status Report
An empirical clinical study of family cognitive behavioral therapy for elderly patients with chronic pain.
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20K14216
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田口 佳代子 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任助教 (50836921)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性疼痛に対する心理社会的ケアにおいて、認知行動療法(CBT)は最も有効性が高いとされている。本研究はこれをさらに発展させ、家族とともに認知行動療法を行うプログラム(Cognitive Behavioral Family Therapy:CBFT)を開発し、その有効性を検証することを目的としている。CBFTは家族を対象とする家族療法のエッセンスをCBTに組み込んだプログラムであり、さまざまな精神疾患において患者単独でCBTをうけるよりも、家族とともにCBTをうける方が良好な効果を示すことが報告されている。しかし、慢性疼痛に対する CBFTの報告は少なく、本研究は世界にさきがけてその有効性を検証するパイロット研究である。慢性疼痛患者とその家族が、通常診療に加えて週に1回、連続10回CBFTを遠隔で受けることによって、通常診療のみ患者(TAU)と比較して、慢性疼痛症状(痛みの強度と障害度)が改善することを仮定し、検証する。また家族のストレスやQOLが改善することを副次的に評価し、家族単位で痛みによるストレスが低減することを検証する。 初年度である本年度は、本学臨床試験部による承認をうけ(G2020027)、CBFTのプロブラムを作成した。これを1組の患者と家族に実施し、安全性と実現可能性を試験的に確認した。これをうけプログラムを修正し、CFBTマニュアルとセラピスト用ガイドを作成した。承認された臨床試験手続きに従いリクルートを開始し、現在2名の患者が登録された(CBFT1名、TAU1名)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染状況下において、本学臨床試験部での倫理審査が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は13名の登録・実施を目指し、引き続きリクルートを継続する。
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Causes of Carryover |
本年度はコロナウイルスの影響により、当初計画していた国際学会での発表がなくなったため、旅費計上分が次年度使用額として生じた。次年度においても同様に国際学会での発表は困難だと考えられる。したがって、旅費として計上した分は本試験の質の担保のためのセラピスト教育費、論文構成費用、論文投稿料として充当する予定である。
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