2020 Fiscal Year Research-status Report
An experimental study on embodied gaze perception: focusing on obsessive-compulsive and related disorders
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20K14227
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森 将輝 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 講師 (50844825)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 身体化視線知覚 / 視線知覚 / 身体化認知 / 強迫性障害および関連障害群 / 強迫性障害 / 強迫スペクトラム障害 / 身体性 / 社会性認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「身体化視線知覚(自身の身体部位が見られているかを知覚すること)」を実験的に実証すること、および、強迫性障害および関連障害群の傾向がある成人における身体化視線知覚の性質を明らかにすることである。身体化視線知覚は、普段の日常生活で経験する現象であるが、先行研究で実験的に探求されている2種類の視線知覚(直視知覚:目が合うと知覚すること、視線方向知覚:相手がどこを見ているかを知覚すること)とは異なる概念であり、現在まで実験的に明らかにされていない。 研究計画開始の1年目である2020年度は、研究代表者によって以前行われた心理実験(森・渡辺,2018;2020)を改良して実験環境(実験装置・実験プログラムなど)を構築し、予備実験を実施した。研究代表者らの研究を含め、先行研究の多くは、水平線(面)上での視線知覚が取り扱われているが、本研究では、前額平行面上での視線知覚を取り扱えるように実験装置が構成された。この変更により、直視知覚、視線方向知覚、身体化視線知覚のすべてが計量的に取り扱えるようになった。実験プログラムは、世界中で広く用いられている心理学実験用ソフトウェアを用いて作成された。実験刺激が呈示される時間の正確性の確認や実験刺激が呈示されるモニターの色校正を十分に行い、統制のとれた実験環境を整備した。 研究代表者は、本研究計画を、2021年3月1日~12日に開催された研究公開イベント「慶應義塾大学SFC Open Research Forum 2020」において動画によるオンライン展示にて紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験装置の構築、実験プログラムの作成、研究倫理審査委員会からの承認、予備実験の実施などに関しては当初の計画通り進められた。2021年度に予定されている身体化視線知覚の個人差(強迫性障害の関連障害)を考慮するための調査も予備的に実施することができた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、実験室に調査協力者を呼ぶことができない期間が長期に渡り、データを蓄積するような調査が十分に行えなかった。そのため、データの収集や解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画開始の2年目である2021年度は、2020年度分も含めてデータの収集と解析に注力していく。2021年度は、得られたデータを用いて国際学会および国内学会での研究発表と国際誌への論文投稿を行う予定である。また、アウトリーチ活動を精力的に行い、研究成果を広く社会に公開していく予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大により予定していた出張が行えなかったため、旅費の使用がなかった。2021年度は、感染症拡大状況に応じて可能ならば学会発表での出張をして研究発表を行うことを考えている。また、2021年度は、データの収集や論文執筆を中心に精力的に研究を行う予定であるため、調査協力者への謝金や学術論文のオープンアクセス化費用、英文校閲費として使用することを見込んでいる。
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Research Products
(2 results)