2023 Fiscal Year Research-status Report
Geometric inequalities of dual volumes of convex bodies and properties of additions of convex bodies derived from the inequalities
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20K14320
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
坂田 繁洋 福岡大学, 理学部, 准教授 (30732937)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 双対体積 / モーメント / 凸多角形 / 形状決定問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度に引き続き、Euclid距離のp-2乗とEuclid平面上の凸多角形の定義関数とのたたみ込みの評価を行った。一般に、Euclid距離のp-n乗とn次元Euclid空間内の有界な開集合Kの定義関数とのたたみ込みは、Kのp-n乗モーメントとよばれる。Kのp-n乗モーメントはpが正であるときに収束する。今年度は、前年度に引き続き、凸多角形のp-2乗モーメントの最大値(pが2より小さいとき)・最小値(pが2より大きいとき)の評価に取り組んだ。 本研究の問題意識は凸多角形の形状決定問題にある。すなわち、Euclid平面上に凸多角形が2つ与えられたとき、それらのp-2乗モーメントの値を比べることで、それらが合同か合同でないかを判定したい。先行研究として、平面上の凸多角形Pのp-2乗モーメントのP上の積分によるPの形状決定問題が挙げられる。本研究の動機は、先行研究の積分を最大値(pが2より小さいとき)・最小値(pが2より大きいとき)に代えた問題が成り立つかどうかである。凸多角形のp-2乗モーメントは、定数倍の差を除いて、凸多角形のp次の双対体積に等しい。この意味で、p-2乗モーメントの最大値(pが2より小さいとき)・最小値(pが2より大きいとき)による凸多角形の形状決定問題の研究成果は、凸多角形の双対体積の不等式ともいえる。 今年度は関係する研究成果を調査し、前年度に得られた定理「与えられた面積をもつ正凸多角形のp-2乗モーメントの最大値(pが2より小さいとき)・最小値(pが2より大きいとき)は、正凸多角形の頂点の個数に関して狭義単調である」の学術的価値を考えた。p-2乗モーメントの最大値(pが2より小さいとき)・最小値(pが2より大きいとき)による凸多角形の形状決定問題は継続して考察すべきことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の目標は、凸体の双対体積の不等式を作ること、それを用いて凸体の大きさを評価すること、凸体の演算の性質を調べることである。現在までに凸多角形の双対体積の不等式を1つ得た。それを用いて凸多角形の大きさを評価すること、凸体の演算の性質を調べることはできてない。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度と今年度の研究を継続して、凸多角形のp-2乗モーメントの最大値(pが2より小さいとき)・最小値(pが2より大きいとき)による形状決定問題に取り組む。可能な範囲で各種研究集会へ参加し、国内外の研究者と意見交換し、課題解決に有益な情報収集を行う。オンラインで開催される研究集会へ積極的に参加する。関係する研究の文献調査も継続して行う。
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Causes of Carryover |
研究課題に関係する研究集会に参加できなかったこと、研究課題に関係する研究者を招聘できなかったこと等により、旅費を使わなかった。 繰り越した予算は、研究課題に関係する資料の費用、研究課題に関係する研究集会へ参加するための旅費、研究課題に関係する研究者を招聘するための旅費等に充てる。
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