2022 Fiscal Year Research-status Report
Construction of quantum walk model in Max-plus algebra and its application
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20K14367
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Research Institution | The University of Fukuchiyama |
Principal Investigator |
渡邉 扇之介 福知山公立大学, 情報学部, 准教授 (80735316)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Max-plus代数 / 量子ウォーク / 固有値 / 相関付きランダムウォーク / セルオートマトン / 交通流モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果として,量子ウォークモデルのmax-plus代数における類似物の構成を行った.ここでは,構成したmax-plus代数におけるモデルの時間発展を記述する行列の固有値が時間に関する保存量となっていることと,量子ウォークの各時刻における確率の総和が保存量になっていることを対応付けることで類似物であると呼んだ. 量子ウォークの時間発展を記述する行列はユニタリー行列であるが,max-plus代数においてはユニタリー性に対応する性質,特に直交性を議論することが困難である.そこで,2022年度ではmax-plus代数におけるベクトルの直交性に関する基礎理論の構築を目指した.結果として,max-plus代数における対称行列の異なる固有値に属する固有ベクトルが独立であり,さらに直交することを示した.本結果は現在国際論文誌に投稿中である. また,2022年度はmax-plus代数における量子ウォークモデルの応用に関する研究をスタートした.着目したのは相関付きランダムウォークと呼ばれる,二項間の漸化式で記述されるランダムウォークを三項間の漸化式で時間発展するように一般化したもので,単純ではあるが量子性をもつ素朴な量子ウォークの1つとしても知られている.この相関付きランダムウォークのmax-plus代数における類似物を構成し,そのモデルがセルオートマトンとして解釈できることを示した.得られたセルオートマトンは通過する車の台数に応じて通行量に制約がかかる交通流モデルとなっていることについて議論した.この結果はJournal of difference equations and applicationsに掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はこれまでに3件の掲載済み論文で結果が発表されており,1件の査読中の論文もある.よって研究計画はおおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
量子ウォークとグラフ上のゼータ関数の関係のmax-plus類似の構築を目指す.グラフの隣接行列の行列式を用いた固有多項式と固有値やグラフの閉路を考えることが重要なグラフ上のゼータ関数への応用について,max-plus代数上の行列の固有値に関する基礎理論の準備はできたと考えている.グラフ上のゼータ関数に詳しい小山工業高等専門学校名誉教授の佐藤巌氏との研究打合せも予定できており,成果に結びつけることができるように尽力する.
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Causes of Carryover |
2022年度もコロナの影響で国際会議に参加することはできなかったが,いくつかの国内会議や研究の打合せを対面で行うことができた.オンラインでの議論よりも対面で得られる成果は大きく,今後も可能な限り足を運ぶ予定である. 2023年度は学会参加だけではなく,研究集会の開催も予定している.また,初年度に購入したノートPCの調子が悪く,新しいノートPCの購入を検討する.
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