2022 Fiscal Year Annual Research Report
難揮発性包有物CAIから探る太陽系の誕生環境：ニオブ92をトレーサーとして
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20K14551
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
日比谷 由紀 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (30867536)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 難揮発性包有物 / カラムクロマトグラフィー / 質量分析 / 超新星爆発 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「太陽系誕生時における 92Nb(ニオブ-92)存在度分布の解明」を目的とする。具体的には、1 外側太陽系由来である炭素質コンドライトのうち始原的な CV, CRタイプの隕石からCAIを物理的に抽出し、2 研究代表者が開発した高精度クロム-チタン安定同位体測定法と 3 高精度ジルコニウム同位体比分析を組み合わせることにより、CAIがもつ太陽系内の位置情報と92Nb初期存在度の同時決定を試みる。既存値との比較を通して、太陽系の大質量星起源物質の初期分布の探索を行い、太陽系形成時の星間環境・物質循環に関する考察を行う。令和4年度には、複数のCVコンドライト隕石の厚片についてEPMAを用いた細粒CAI中の元素定量分析を行い、同位体分析を行うCAIの鉱物観察を行なった。CRコンドライト隕石についても探索を行なったものの、残念ながら分析に必要なサイズのCAIを見出すことができなかった。こちらについては、今後探索法を考えてあらためて試料を入手する予定である。また、テスト的にMC-ICPMSにおけるCAIのチタン同位体分析も行い、先行研究の結果と組み合わせることによって、CAI形成領域には92Nbが過剰に存在することも示唆された。今後、さらに試料を増やして検証を続けていく必要があるものの、本研究からはこれまでに、原始太陽系近傍での超新星爆発によって92Nbが太陽系円盤内に局所的に注入されたことが示唆された。本研究により、隕石中の微小構成物質の鉱物観察および同位体比分析の一連のフローを確立することができたことで、今後初期太陽系核種分布の研究を進めていく上での重要な足がかりとなった。
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[Presentation] Chemical abundances in Ryugu, nugget effect, and cosmic composition.2022
Author(s)
N. Dauphas, T. Yokoyama, R. Fukai, T. Usui, S. Tachibana, M. Schonbachler, A. M. Davis, H. Yurimoto, The Hayabusa initial-analysis chemistry team, The Hayabusa initial-analysis core
Organizer
Hayabusa 2022 Symposium
Int'l Joint Research
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