2020 Fiscal Year Research-status Report
界面分子濃度プローブと多光子吸収濃度変調によるマランゴニ対流の初生解明
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20K14647
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
水嶋 祐基 静岡大学, 工学部, 助教 (30844716)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フェムト秒パルスレーザー / マランゴニ対流 / 光ファイバー / 光線追跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
濃度差マランゴニ対流(CoMC, Concentration Marangoni Convection)は半導体結晶の高純度化や熱交換器の伝熱促進等,幅広い分野で応用が進む一方,その流動特性の実験的解明は十分でない.そこで界面活性剤水溶液におけるCoMCをナノレベルで制御,時間分解計測する.まず,界面分子濃度プローブ(LMDP, Liquid-surface Molecular Densitometry Probing)を開発し界面で吸着・脱離を繰り返す活性剤の瞬時濃度とその時間変動を測定する.次に,フェムト秒パルスレーザー(fsパルス)の多光子吸収濃度変調(MCM, Multiphoton absorption Concentration Modulation)でCoMCを誘起し,LMDPの濃淡検出周波数から界面流速とCoMCの初生(=濃度変調に対する応答時間,時定数)を詳細に考察する.
当該年度において、界面近傍に生じる光の反射現象を精密に取得可能な光ファイバーセンサの形状を探索した。光ファイバー内部を導波する光の諸特性をシミュレーションにて再現し、実際に製作したセンサの結果と比較検討した。また、ガラス表面にfsパルスを干渉させる実験を行い、照射条件や再現性を調査した。
また、派生研究としてfsパルスによる光ファイバーの微細加工を行った。fsパルスの照射条件と被照射物との相互作用に関する知見を得ることを目的としつつ、光ファイバーによる液膜計測用センサ(関連:19K23485)を製作し、論文化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光ファイバーセンサの構築は順調に推移している。 透明材の表面にfsパルスを干渉させる方法の構築については、当初想定よりも光学系の調整難度が高く、再現性を担保できない状況が続いている。
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Strategy for Future Research Activity |
前準備である計測系側の構築難度を下げつつ、現象解明の実験にリソースを割けるようにするため、空間光位相変調モジュールの導入を計画している。これにより現状手間取っているfsパルスの干渉に係る作業性を改善する。
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Causes of Carryover |
計画時に見込んでいた物品の価格変動の影響により、少額の未使用額が発生したが、次年度使用分は実験で使用する消耗品に充てる。
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Research Products
(2 results)