2022 Fiscal Year Annual Research Report
尺度混合確率モデルに基づく筋疲労の潜在特徴評価法の提案と適応的筋電義手制御の実現
Project/Area Number |
20K14698
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古居 彬 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (30868237)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生体信号解析 / 確率モデル / パターン認識 / 筋電位信号 / ベイズ学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,筋電位信号の確率モデルに基づく新しい筋疲労評価法を構築し,筋の疲労状態に応じて適応的な動作識別が可能な筋電義手の開発を目的とする.これにより,長時間の義手使用に伴う筋疲労の影響に対してロバストな制御の実現を目指す.本研究の目的達成のために,(1) 筋電位信号から筋疲労を評価するための時系列確率モデルの構築と評価,(2) 筋電位の不確実性を考慮したパターン識別法の開発,(3) 筋電義手制御システムの開発 といった研究課題に取り組む.各項目に関連する研究実績は以下の通りである. (1) 昨年度に構築した時系列確率モデルを評価するため,筋疲労を伴う筋電位信号計測実験を行った.被験者として健常成人男性12名を対象とし,筋が疲弊するまで持続的筋収縮を行わせた.実験データを解析した結果,耐久時間(筋収縮の持続時間)に応じて確率モデルのパラメータが徐々に増加する傾向を確認した(国際学術雑誌への投稿準備中). (2) 筋電義手を長時間使用した場合,筋疲労などの影響で信号特性が経時的に変化し,結果としてパターン認識性能が低下する問題が知られている.この問題に対処するため,ベイズ逐次学習に基づく筋電位パターンの適応的分類法を提案した.評価実験の結果,提案法は既存手法よりも優れた性能を示した(米田ら, SI2022; 国際会議へ投稿中). (3) 筋電義手の制御系に筋電位信号の不確実性を取り入れる研究に取り組んだ.具体的には,振戦のような不随意動作を筋電位信号の特徴から推定し,義手の制御指令に重畳させることで,不随意動作を再現可能な生体模倣義手制御システムを構築した(熊谷ら, 電気学会 電子・情報・システム部門大会2022).
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Research Products
(6 results)