2022 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導応用機器の最適設計を目指した遮蔽電流密度の高性能解析
Project/Area Number |
20K14709
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高山 彰優 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (70396589)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高温超伝導薄膜 / 遮蔽電流密度解析 / 有限要素法 / 形状最適化 / 超伝導リニア加速 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁気閉じ込め核融合炉の燃料供給法として,超伝導リニア加速(SLA: Superconducting Linear Acceleration)システムが提案されている.同法では,加速用と浮上用の2種類の高温超伝導(HTS:High-Temperature Superconductor)薄膜を付加した容器に燃料である固体水素ペレットを入れた後,容器は電磁的に推進され,高温プラズマ内に入射される.SLAシステムを用いることによって,彼らは5km/s以上の速度を得ると試算しているが,SLAシステムは磁場閉じ込め核融合炉へのペレット入射法として試作段階である.それ故,目標速度を達成するためのペレット速度は,まだ実験的に得られていないので,同システムによるペレット速度は未評価である.このため,SLAシステムが磁気閉じ込め核融合炉の燃料供給法として有効であるかを数値的に検証することが望まれている. 著者等は軸対称高温超伝導体の遮蔽電流密度の時間発展問題を解くことによって,SLAシステムの数値的研究を行ってきたペレットコンテナに取り付けた推進用の薄膜の遮蔽電流を解析し,ペレット速度を試算した.結果として,目標速度である5km/sに約8秒で達成できることを数値的に示した.さらに,著者等はペレット速度の高速化を目的とした研究を進めてきた.高速化には,外部磁場の増加が必要であり,そのためには,印加電流の増加,外部電磁石の配置,電磁石形状の最適化を行ってきた. 特に,近年では,最適化を行うことによって,数倍のペレット速度の上昇が見込めることが明らかになった.特に,本年度では,ペレット速度の高速化のため,この電流がSLAシステムの加速性能に及ぼす影響を数値的に調べてきた.結果として,指数関数的に時間とともに増加する電流を電磁石に印加したとき,加速時間は約10倍に短縮された.
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