2021 Fiscal Year Research-status Report
A Proposal of Durability Evaluation Method for Chemical Degradation of Concrete Using Volcanic Sediment
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20K14807
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福永 隆之 九州大学, 工学研究院, 助教 (20869408)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シラス / 火砕流堆積物 / ポゾラン反応 / 硫酸劣化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、南九州に広く分布する「シラス」を建設材料へ効果的に活用するための研究開発に取り組むことで、地域の活性化およびコンクリート構造物の長寿命化に貢献する技術開発を行う。具体的には、シラスの混和量がコンクリートの物性および各化学的劣化に対する耐久性に与える影響を明らかにした上で配合設計法の確立を目指すものである。本研究を達成するために、1)建設材料の観点から見たシラスの特性評価、2)化学的侵食に対する耐久性の定量的評価および耐久性向上メカニズムの解明、3)構造物の要求性能に応じた火山性堆積物の活用方法の提案の3項目の達成を目的とした。 本研究では、化学的劣化が発生する環境として、温泉地帯などの酸性環境を想定し、シラスを利用した建設材料の酸性環境での適応を目指した配合の提案をするものである。2021年度は、1.暴露試験のデータ採取、2.室内試験で硫酸を利用して促進試験の実施し、暴露環境との整合性を確かめると同時に、3.ペースト供試体を作製し、酸性環境における耐久性向上メカニズムの解明を実施した。その結果、同一浸漬期間において、養生期間が長い供試体の方が、養生期間が短い期間の供試体よりも劣化の程度が大きくなった。また、酸性環境に浸漬するまでの養生期間(前養生期間)によって、暴露環境で得られた結果と異なる傾向を得た。これは、浸漬開始前の供試体の空隙量に起因していると推測される。 最終年度である次年度は、暴露試験で得られたデータと促進試験で得られた実験結果を取りまとめ、化学的劣化に強い建設材料の提案を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度も2020年度に引き続きコロナ禍での実施となったが、実験室で検討可能な実験ならびに文献整理を実施した。そのため、配合を提案するのに必要なデータを採取できた。 以上より、研究計画通りにおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度と同様に、各種検討のデータ収集を継続する。得られたデータは順次公表していく。最終的に、これらの結果をあわせて酸性環境下におけるコンクリート構造物に対する配合設計法の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で,現地に暴露した供試体の測定へ行けなかった点や世界的な半導体不足で,物品調達が間に合わなかったため.2022年度では,現地測定回数を増やすことに加えて,2021年に注文した製品が届くため,問題なく遂行できる予定である.
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Research Products
(1 results)