2021 Fiscal Year Research-status Report
Planning perspectives of the Dutch civil engineers that influenced the formation of urban infrastructure in modern Japan
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20K14943
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
岩本 一将 国土技術政策総合研究所, 社会資本マネジメント研究センター, 研究官 (20850142)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オランダ人土木技師 / 都市形成史 / 港湾都市 / 河川 / 土木史 / 大阪港 / ロッテルダム港 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、前年度に実施した国立国会図書館の所蔵資料を中心に分析を進めた。また、それ以外にも研究対象地に関する史料を購入し、日本とオランダの都市形成に関する比較分析を実施したことで、オランダ人土木技術者が日本の導入した技術の先端性などについて、以下の進捗および成果を得た。 1)本年は資料調査の進捗状況より、大阪港とロッテルダム港における港湾都市の形成過程に関する分析を実施した。設計図面、調査報告書、測量図などの史料を用いて分析した結果、2つの港湾では、蒸気機関の発明に伴う大型船舶の往来に対応することが求められており、その関連する改修計画を比較した結果、ともにオランダ人土木技師(大阪港:Rijke,ロッテルダム港:Caland)によって基本計画が立案され、その改良計画において河川の改修、港湾都市の発展、流路の変更、自然災害への対策を計画に取り入れていた点が共通していたことを把握した。一方で、港湾を取り巻く自然地形が大阪とロッテルダムで大きく異なることなることから、同時期に計画された都市開発の様相が異なり、大阪では港湾に関する技術的な計画は欧州の内容が採用されていながら、都市空間の開発については日本の地形にあった計画が取り入れられていた。この成果は既に国際学会に投稿し、採択されている。 2)前述の成果を踏まえて、国内の港湾事業に関するオランダ人土木技師の計画内容について、測量図や設計図などを中心に調査・分析を進めている。具体的に横浜港や三角港などに関する分析を進めることで、日本の近代都市形成に対するオランダ人土木技師らの貢献についてより詳細に考察することに取り掛かっており、2022年度も継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度から引き続きCOVID-19が流行したことにより、本年度に計画していた資料調査を想定よりも実施することができなかった。しかしながら、2020年度に実施していた国内事例の資料調査の内容と併せて分析を進めた結果、大阪港とロッテルダム港に関する都市形成の過程を比較分析することができ、その成果を2022年7月に開催の国際学会IPHSにて発表予定である。以上のことから、進展は順調であると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、COVID-19の感染拡大の状況を確認しつつ、オランダ人土木技師が事業に関わった国内事例の資料調査を実施する予定である。また、2022年7月に開催の国際学会IPHSでの発表内容を精査し、論文投稿を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度から引き続きCOVID-19の影響を受けて、当初予定していた資料調査を実施することができなかったため、それに必要な経費を次年度に持ち越すこととなった。
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Research Products
(1 results)